「好きこそもののはわれなりけり? 福田作品の新機軸!」ヲタクに恋は難しい 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)
好きこそもののはわれなりけり? 福田作品の新機軸!
これは!わたしたちへの挑戦状映画だ!!
皆さん薄々気付いていらしゃるでしょうが
はい!わたし!ヲタクです!
自分的には(でした)かな?
今の“有明”こと東京ビッグサイトも、
昔の“晴海”こと東京国際見本市会場時代のコミケも知っている
言わば〈腐女子〉黎明期に青春を駆け抜けました。
同人誌活動もしました。コスプレもしました。
絵師の追っかけもしました。
なので、昔を懐かしく思いましたし
今もなお、あの独特の熱量を帯びたカオスな空間も
相も変わらず存在しているのだなっと、
感慨深く観賞してしまいました…
ヲタク文化が経済を支えている
ヲタクがいる限り日本は平和だ
今回も常連キャストを配し、
チャチャっと撮影して、パパっと仕上げた
いつもの福田雄一 監督作品かと思ったら
なんかいつもの作品テイストとチョッと違う?!
それは多分、福田監督が映画・ドラマ以外の媒体…
そう!近年〈舞台演劇やミュージカル〉の
作・演出も手掛けるようになったからだと思います!
『銀魂2』以降、その経験が反映され
映像作品に結実してこれまでとは
ひと味違う《新しい福田作品》に仕上がっている!と、
本作『ヲタクに恋は難しい』を観てわたしは思いました!
お馴染みの〈二郎タイム〉〈ムロの賢者タイム〉や
メタ的セリフも押さえ気味。
まぁ、ヲタク要素自体が
メタフィクションなんでしょうけど…
そしてなにより、
福田監督の好むメタフィクション要素を
ミュージカルに転換している節が見受けられました。
幅広いアレンジセンスで数々の音楽シーンで
腕を振るってきたヒットメーカー・鷺巣詩郎氏が
楽曲を手掛けたミュージカルパートも手伝って
《新しい福田作品》として機能している!
高畑充希さんの、改めてミュージカル出身だったことを
鮮烈に思い出させるほどの抜きに出た歌唱力で
福田作品だと言うことを瞬間忘れてしまうような
甘く切ないバラードなんか歌われたら
そりゃぁ!評価を上げざるを得んでしょう!!