グリーンブックのレビュー・感想・評価
全746件中、541~560件目を表示
暗い話ではありません! 見て暖かい気持ちになる、素敵な映画
タイトルの意味から、差別を描いた暗い話しかと少し躊躇しましたが、素敵な映画でした。見て良かった!
一方は、教養溢れる天才黒人ピアニスト
他方は、お金の為にそんな黒人にドライバー兼ボディガードとして雇われる立場になった、「粗野な」イタリア系白人
二人が60年代に黒人差別が色濃いディープサウスをコンサートツアーで巡る様子を描いた、一種のロードムービー
差別は描かれますが、それがいちばんのテーマではありません
いろんな状況のなかで対極的な二人が少しずつお互いを受け入れて少し変わっていく、そんな姿を描いた映画です
興味がある方には是非お勧めします!
===== ★以下、個々の話の結末は書かないのでネタバレではないつもりですが、幾つか大まかなプロット展開に触れるので、気にされる方はすみませんが、この先読まないでください★ =====
冒頭、NYの高級クラブで用心棒をしているトニー・リップ
上客が「これは母親から貰った大事な帽子だから命懸けで守れ」とチップを弾んでクロークで帽子を預けるのを見ると、トニーは、それを寄越せと言って係の女性から帽子を取り上げてしまう
いったい何をするつもりなのか??
いきなり話に引き込まれます
彼の世慣れた抜け目なさが印象的に描かれます
その後の、黒人の修理工が家に来たときの彼のさり気ない行動、そしてその後の奥さんのさり気ない行動で、彼と奥さんの黒人全般に対するそれぞれの態度が見られます。こういう人物描写が簡潔で上手いです
陽気で世慣れて現実的で大食いで、愛する妻と子供たちのために生活費を稼ぐ、地元のNYからおそらく外に出たこともないであろう根っからの庶民
もう一人の主人公、ドク・シャーリーは、ロシアの音楽院に黒人として初めて入学を許されたピアニスト。学位を複数持ち、複数のヨーロッパ言語に堪能
服装、立ち居振る舞い、話題や語彙、厳格な道徳観、いつも静かに思索に耽る姿など、凡ゆる面で品格と教養が滲み出てきます。そして孤独でもあります
無学無教養で貧しい黒人というステレオタイプとは対極にある黒人
そんな黒人にドライバーとして雇われる立場になる白人トニーとのデコボココンビ。白人といっても労働者が多い下層であるイタリア系というのもポイントです
公民権運動前夜の時代、旅が南に進むにつれ、いわゆるレッドネック(南部下層白人)や地元警察の差別に会ったりします。そういう地域・時代の有様はいろいろと描かれており、なるほど具体的にこんな扱いを受けたり制約があったりするんだなと、言い方は変ですが、勉強になりました
しかし一番のテーマは差別を描くことではなく、そんな状況のなかで、生い立ちやら境遇やら性格が全く異なる二人が、二ヶ月に及ぶクルマの長旅を通して、少しずつお互いに影響を与えていく、そんな様子を描くことです
先にトニーを「粗野な」と形容しましたが、そうでない彼の人間性がドクとの付き合いのなかで徐々に顕になります
道中、トニーはNYで待つ妻に手紙を書くシーンが何度か出てきますが、それが話のいいアクセントになっており、何度かクスリと笑いました
最後に立ち寄った地元の黒人バーのシーンはいいなあ
そしてトニーの奥さんが可愛くて素敵ですw!
音楽と演技に酔いしれる
アカデミー賞では同性愛や黒人差別といった米国が抱える課題を取り上げた作品が賞を受賞することが多く、作品の質でない部分で評価されていると感じることがあるが、この映画はそのような面を抜きにしても受賞するに相応しい映画作品であると感じた。文句無しのストーリーとは言い難いが、魅力ある登場人物と耳を離れないピアノの音色が作品に深みを与えており深く心に響く作品になっている。ムーンライトでアカデミー助演男優賞を受賞したマハシャーラ・ハリの演技が今作でも飛び抜けて素晴らしい。品格を感じさせながらも愛嬌もあるという人物を見事に演じ切った。再び劇場へ足を運びたくなる映画だった。
新たな差別に気がついた
もちろん
期待通り!文句はない。
これが実話ベースのストーリーであるということに大いに勇気づけられる。
自分と他者との違いを、怖れるのではなく敬い、愛する態度を持った人間でありたい。
ドクターの言う「dignity」という言葉が深く印象に残った。
人としての尊厳はかくも踏み躙られやすいのだ。
彼が徹底して暴力を嫌う様には、Martin Luther King Jr.の演説を思い出した。
"In the process of gaining our rightful place, we must not be guilty of wrongful deeds. Let us not seek to satisfy our thirst for freedom by drinking from the cup of bitterness and hatred. We must forever conduct our struggle on the high plane of dignity and discipline. We must not allow our creative protest to degenerate into physical violence. Again and again, we must rise to the majestic heights of meeting physical force with soul force."
そしてトニーの素直さに救われる思いがした。彼は心の底から素直で、オープンで肯定的だ。
彼が彼自身の存在を肯定していることからくる、人間的な温かさ。
ドクターの演奏を聴いて「天才だ」というシーンが良い。耳も(音楽に対しても)素直で柔軟なトニー。
音楽も良かった。ポップソングのBGM、ドクターの演奏シーンともに。
人種差別がテーマでは無い
予告編が良いだけに…
実話と知って驚いた⁉️
あらすじは知っていたが、そうとは知らなかったので、巻頭で実話との表記にびっくり! よく比較される「最強の二人」が実話なのは、鑑賞前から知っていたが、「ドライビングM i s sデイジー」は舞台の映画化だったので、この作品も映画のためのフィクションかと思っていた。最後に本人たちの写真も披露され、本当の話なら、もっと感動的だと思った。イタリア系ではないヴィゴが、体重を20k gも増やして、コテコテに演じていておもしろかった。マハーラシヤが、「ムーンライト」の麻薬の売人とは打って変わって、インテリのピアニストを演じていて、見違えた。私が特に心震えたのは、ドンの孤独だ。カーネギーホールの上階に住んでいて、召使いも抱えて生活はリッチだ。でも、一緒に家族は誰もいなくて寂しそうだ。本当はクラシックを弾きたいのにレコード会社からポピュラーを弾いた方がいいと言われ、それに甘んじている。北部ではまだいいが、南部では白人からは差別され、黒人からは何を気取っているんだという目で見られる。彼はどちら側にも属せない人間なのだ。そんな孤独がひしひしと伝わってきた。あと気に入ったのが、手紙のエピソード。最後にそうかと納得させられた。見終わった後もすごく清々しくて、気持ちよく映画館を後にした。
1962年の晩秋アメリカ南部を車で走る。
60年代が舞台の、粗野な白人と洗練された黒人の物語といえば、そのス...
人種差別を扱う作品にしてはめずらしく…
楽しめる映画
また、会いたい。みていたいこの二人を。あの家族を。
いい映画。
高校時代に観ていたような映画に、久しぶりに巡りあったなーという感じだった。
なぜ?
CGメイン・今はやりの映画、ではなかったから?
ロードムービーは鉄板だから?
実話にもとずいている、その奥深さから?
音楽、すごく素敵だから?
抑揚の効いたストーリーはこび、脚本、俳優達の演技が素晴らしいのはもちろんだが、当時の日常、さりげない会話、景色、出来事を積み重ねていくことが魅力的だった。
人種差別を高所から扱うのではなく、二人が遭遇する日常を、たんたんと時系列で重ねていく。温度差なく体験した。だからこそ移入できる。『なんで。こんな仕打ちを受けるのか…!』。
ある意味『この世界の片隅に』みたいでしょ。と思った。
トニー・(リップ)・バレロンガにまた、会いたい。
ドクター・シャーリーのピアノをまた、ききたい。
奥さん、ドロレスがいい。
楽しめました
全746件中、541~560件目を表示