「群像劇なので、結構楽しめました。」十二人の死にたい子どもたち ナオさんの映画レビュー(感想・評価)
群像劇なので、結構楽しめました。
前情報を持って見た人は、想像と違うかもしれません。
予告に明らかなミスリードがあります。
こういうの止めて欲しいけど、売上とか考えると仕方ないのかな。
死にたい人間が集まって、安楽死をする事を目的にお話が始まりますが、この時点で、それぞれ、個人では自殺出来ない子供達である事が想像出来ます。
この心理加減が絶妙で、何が何でも死にたいのに、自分一人では死ねないという不安定な子供達の心理を、映像や音楽で不安を煽りながら表現されます。
ただ、それが予告を見た人間にサスペンス映画だと思い込ませる罠になっています。
この映画はサスペンスではなく、どちらかといえばミステリー要素が強いです。
私はあまり頭が良くないので、最後まで真相には気付きませんでした。
ただ、この映画の魅力は、子供達のキャラクターです。
12人それぞれの個性と魅力が出る様に役作りされていて、普通にこの子供達がどうなっていくのか、どんどん引き込まれていきました。
この映画は、子供達をしっかりと描写する為に、自殺したいと思う原因となった周りの大人を全く描写しません。
映画の短い時間内で、この選択は成功していて、12人という一見多すぎる主要メンバーを全員脇役に落とさず、しっかりそれぞれの性格を表現しています。
個人的には、金髪の女の子のキャラが良かったですね。
死にたい理由に笑ってしまいました。
それでも、本人は真剣に悩んで出した結論なのが、凄く面白かったです。
うざいいじめられっ子も、どもってるのに頭の回転が速い子も、不良だけどいちいち言動が優しい子も、キャラとしてはありふれてるのに、見てるうちにどんどん好きになっていきました。
エンディングに関しては妥当なところに落ち着いています。
欠点があるとすれば、妥当すぎるところでしょうか。
望んでたエンディングを望んでた様に提供された感じです。
『君の名は』くらい妥当に終わります。
だから、やりきれなさ等はないです。
それが、想像を超えなかったと言う意味で、☆4つです。