「理解できる人は少ないかもしれない」十二人の死にたい子どもたち たいがさんの映画レビュー(感想・評価)
理解できる人は少ないかもしれない
私としてはこの作品は非常に良い作品だと思った。
ほかのレビュアーさんがおっしゃることもよく分かる。
「終わり方がしっくりこない」
「配役が良かっただけ」
「死にたがってた人が結局全員生きたくなるのは不自然だ」
「予告やCMと全然違う」
「ハラハラ要素0」
言われればうんうん確かにって同感するものばかりである。
普通にハラハラする脱出系映画のつもりで観ていればこういう感想が出てくるのは当然だろう。
配役や演技面についてだが、「あれ、この人どんなエピソードで死にたくなったんだっけ?」ということがなく、終わった後でもしっかり思い出すことができるほどそれぞれのキャラにインパクトがあり、非常に良かったのではないかと思う。
死にたい12人が集まり、そこで起きた様々な出来事を通して死ぬ必要はないのだという結論に至る。
一般人には到底理解ができないほどの苦しみを抱えた人が12人集まるならまだしも彼らはそうではなかった。
死んだら何もできなくなるが生きていればどうにでもなるということに気づいた12人。
とても人間味が出ており、私には非常にしっくりくる結末であった。
ハラハラドキドキやサスペンスを楽しみたくて観た人はそれは残念になるのは分かるが、人間の心理を見たくて観た私にとっては新感覚で感動を覚えた。
死にたいと思っている人が集まったらどうなるのか?
明らかに新感覚であるしその心理の交差は私を満足させてくれた。
この映画に出会えて良かったと思う。
ありがとう。
原作を読んで映画を観たので、正直、逆によく内容がわかりました。そういう意味では、映像化されて良かったです。すぐ、死ね!とかもう死にたい!とか発する子供達が、生きることの大切さやもっといろんな人達と会話する必要性を感じてくれるとありがたいです。