「自殺とは?」十二人の死にたい子どもたち にょむさんの映画レビュー(感想・評価)
自殺とは?
一応ネタバレ注意にしておきます
タイトルからこの映画がパロディ構造である事を察すれば腑に落ちるところもあるけど、テーマが集団自殺となるとかなり扱いが困難になる
原作未読なので映画のみの感想を書きます
一言で言えば面白くはなかったのだけど、つまらなくもなかったという不思議現象
普段はあまり買わないパンフを買ってしまったのはこの映画がキャラクター映画だったからですね
個人的にはこの映画の構造は既存作品のパロディというよりも、ダンガンロンパ寄りのキャラクター会議モノではないか?とも感じました
が、しかし、登場キャラは各々のエピソードで回想シーンなどが少しある程度で、それで12人若しくは12人の誰かに感情移入するのはちょっと難しいかな
本題が集団自殺で途中離脱もありなのに、誰も離脱しないし結局誰も死なない
死なない結末がダメなのではなくて、そもそも追い詰められてるキャラが"病気で余命僅かの彼"くらいで、他は生きる選択肢があったり、意図した自死を画策しているのは生に対する未練の証拠で、本来の自殺願望とは程遠い
段階的な解釈で、追い詰められてなくても誰もが自殺を考える事はあるし、問題提起としてはいいのでは?という点では同意するものの「嫌になったら死ぬって手段もあるよ」と推奨してる側面があるわけではないのだから、方向性としては結局「死ぬまで生きる」に誘導するしかない
ラストで決を取り、集団自殺を思いとどまらせた演説はキレイでしたが、観てるこちらとしては説得力までは感じませんでした
集まった面々が"死にたいの一歩手前"だからみんなでブレーキを踏めたという事でしょうね
本来、死ぬ人は一人でも死ねる
死ぬのは勇気ではなく、生きる勇気を無くした人が自殺する
そこにロマンやドラマはない
小学生が、遊びに行く気軽さで出かけ、くびをつり、帰ってきたときは死体だったというのが自殺なので、そういう子にはブレーキはない
この映画でもやもやするのは、みんなでブレーキ踏めたのは良かったとして、自殺の原因を解決する見込みが全くないままだよね?ってとこなんですよ
それとは別に、橋本環奈ちゃんの隠しキャラ扱いは個人的には微妙だったんだけど、マスクをとるとらないのシーンでデリカシーに配慮した発言があった事にとても共感しました
なのでエンドロールの時系列おさらい映像とかは興味外でお疲れ様ですという気持ちで眺めていましたが、もし続編が出たら観に行きますね
共感ばかりでとてもスッキリしましたありがとうございます...!
私は何にモヤモヤ感を感じているんだろう?と思っていましたが、まさにそれです!
「結局何も解決してねえじゃん!」というツッコミが最適な映画だなと思ってしまいました...
マスクの所も、皆死にたいからこそ考えられる配慮で、凄く良いなと思いました...
レビューに共感の嵐でとてもスッキリしました...ありがとうございます😭