チェコ・スワンのレビュー・感想・評価
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白鳥の湖が、ジークフリート王子とオデット姫の悲愛と考えると奥が深い...
白鳥の湖が、ジークフリート王子とオデット姫の悲愛と考えると奥が深い話になる。一級のプロの振付師が一流のダンサーに代わりに振付を教えるように命ずる。振付師はそのダンサーの事を考えての措置と感じた。元々、ジークフリートとオデットは瀕死の状態でダンスとをする。それをこの老人の必死姿に照らしていると感じた。
「芸術家は死んでから名を残すのよ」と言った台詞が出てくる。冗談なのだが笑えない。彼女達のダンスが醜くも健気で悲しく見えた。
まさか「ミッドナイトスワン」のリスペクトじゃないですよね。
ある意味に於いて「白鳥の湖」を素人が踊って、歌舞伎で言えば、田舎歌舞伎で「勧進帳」や「連獅子」やるようなものだかね。チャイコフスキーに対する冒涜何だけどねぇ。ゆるそう。生まれ変わりでダンサーになると言っている。
田舎のお母さん方10人の白鳥コスプレ大会。
人間ドラマとか特に無し。いや、さらっとあるけど深く掘り下げない。まさにスローライフを謳歌する、平均体脂肪率推定40%のAKB、を見守る54分。じゃあツマラナイ。
お母さん方は身の程もわきまえず、プロの中のプロ(多分モラヴィアあたり)の男性を訪れてバレエ指南を請願。そこで派遣されるのがマルケタ。彼女の美しさには魅了されます。長身、細い体躯、長くすらりと伸びた手脚。彼女のスワン・レイクに、唯々見惚れる。上肢の動きが、ヒトのものには見えない。白鳥の羽ばたきですやん。身体が奏でる芸術。
なんだけど。俺のお子ちゃま脳と来たら、「予告編で見た(おそらく)モスラの波の様な羽の動き」を連想してしまって。俺、バレエや芸術を語る資格ないです。
「個人の問題」には一切触れないドキュメンタリーは、伸び悩みの苦悩を吹っ切ったマルケタの舞台シーンと、白鳥の衣装をまとったお母様方の、老人ホームでの慰問公演のシーンで終わります。
素晴らしきスローライフ。ゆる過ぎて笑えて、少しだけ幸せな気分になりました。
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