劇場公開日 2019年11月15日

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「キャスティング最高」地獄少女 といぼさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5キャスティング最高

2019年12月12日
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鑑賞方法:映画館

最近個人的に注目している女優、玉城ティナが主演を務める作品ということで、上映期間ギリギリですが鑑賞してきました。
原作未読、アニメも未視聴です。ざっくりとあらすじを知っている程度の事前知識でした。

0時ちょうどに、強い恨みを持つ人物だけがアクセスできるサイト「地獄通信」。そこに地獄に落としたい人物の名前を書き込むと、その人物を地獄に送ることができるが、自身も死後に地獄で永遠の苦しみを味わうことになる。

人間の私利私欲などの汚い部分や、恨みの連鎖を描いた映画です。復讐ものではありますが、「ジョン・ウィック」などの爽快感のある復讐ではなく、「人を呪わば穴二つ」というような救いようの無い復讐劇を描いた作品ですね。

普通に面白い映画でした。原作を知らなかったため、「事前知識無しでも楽しめるだろうか」と心配していましたが、世界観や設定は作中でキッチリ説明があるため、原作未読でも分かりやすい内容になっていました。

キャスティングが素晴らしかった。原作は有名な作品なので、内容は知らなくてもキャラクターのビジュアルは知っていましたが、本当に原作通りのビジュアルで、尚且つコスプレ感も薄く、違和感無く観る事ができました。
私が玉城ティナが好きという贔屓目もあると思いますが、主演の玉城ティナの人間離れした美しさが、人ならざるものである地獄少女(閻魔あい)をより際立たせていました。

ただ、気になる点が無いわけではありません。
繰り返しの演出やストーリーの本筋に関わってこないシーンが多く、全体的に非常にテンポが悪い。

例えば、登場人物の背後に地獄少女がぼんやりと映り、気配を感じて振り向くと誰もいない…というシーンが映画全体を通して何度も出てきます。数えてないですけど、少なくとも5~6回くらいはあったんじゃないでしょうか。最初こそ「地獄少女が登場人物たちを常に見つめている」というところに緊張感を感じますが、流石にしつこく何度も同じ演出が繰り返されると「あー、ハイハイ。またこのパターンね」という風に飽きてきます。

また、橋本マナミ演じる骨女がビジュアル系アーティストの魔鬼のバンドメンバーから、「キャンディ」と呼ばれる麻薬について聞き込むシーンも違和感がありました。橋本マナミとバンドメンバーが乳繰り合いをするセクシーなシーンですが、本編には全く関わってきません。魔鬼が遥という少女に怪しげな薬を渡すシーンが事前にあるため「魔鬼が怪しい薬をメンバーに配っている」というのは観客には周知の事実ですし、ストーリー上で麻薬の件で魔鬼に迫るのは骨女ではなく雑誌ライターの工藤です。そのため、「骨女が麻薬の件を聞き込む」というシーンを挿入する必要性は全くありません。乳繰り合いのシーンに無駄に橋本マナミの胸を強調するようなカメラアングルもあったので、「単純に観客へのサービスシーンとして差し込んだんじゃないか?」と疑ってしまいます。

細かな不満点はありますが、私のような原作未読の観客への配慮は感じられましたし普通に楽しめましたので、良い映画だったのではないかと思います。オススメです!

といぼ:レビューが長い人