劇場公開日 2019年11月15日

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「罪に溺るる業の魂」地獄少女 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0罪に溺るる業の魂

2019年11月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

何を観せられてるんだ…という気持ちが尽きない。
美保と遥とイカれたバンドマンを絡めたメインのストーリーに1ミリも入り込めず、「早くみんな死なないかな」などと失礼なことを考えながら観てしまった。

原作アニメ未鑑賞、漫画版を小学生か中学生の頃に何巻か読んでいた程度。
学校を舞台にしたドロドロ人間劇と復讐劇という印象が強かったので、この映画の話の流れは意外だった。
チープで大味なストーリー、ハマる時はハマるんだけど本作では全く乗れずに終わったのが悲しい。

外連味とかいうレベルじゃない不自然の連続には突っ込むだけナンセンスかな。
短編のオムニバスにすれば面白い気もするのに、たっぷり尺を取った全体の流れの中で地獄送りを決断するのがちょっと無理あるような。
大オチには弱いよね。
もっとサクサク怨んで死んで怨んで呪ってを繰り返して欲しかった。

出てくるキャラに魅力を感じられないのが一番キツい。
誰が何をしても何をされても本当にどうでもよくて、その怒りも怨みも苦しみも全く体感できない。
グタグタやってないで早く地獄へ行っておくれ。

まず遥が好きじゃない。
破天荒なフリしておいて、流されやすい只の女じゃん…というがっかり感よ。
学校に迎えに行く寒いシーンもこれはこれで胸熱かもね、と思っていたのに。というか美保は待ち合わせすっぽかしてんじゃないよ!
遥のキャラは本当に好きになれないけど、しかしどうしても顔が好みすぎてちょっとときめいてしまった。悔しい。

寝てる時もバッチリメイクの肌荒れ宗教家かぶれこと魔鬼は常に本気で、人を騙そうという下心も人間味もクズ感も無く、全く怨む気になれない。
謎信仰に懸ける想い、その純度の高さにはむしろ感服である。
頑張れ魔鬼!世界を変えてくれ!神と共に!
おお魔鬼よ…魅力はなかったけど意味不明に真剣なところ、好きだったよ…。

チラッと見せられる地獄の世界がほんと地獄でイイ感じだったので、もう少し滞在したかった。
ぶくぶく霊体ミミズ大好きだよ。
しかし地獄送りが一番良い復讐方法だとはどうしても思えない。
復讐って、対象が苦しんでいるところを見て初めてスッキリできるものだと思うので、普通に拷問しときなよ〜とついつい考えてしまう。
恐怖も衝撃も嫌悪も全然足りない。

ただ終始良かったのが地獄少女、閻魔あいの佇まい。
あの流し目は虜になっちゃうな。
あと、片岡礼子が出てくると耳しか見えなくなっちゃうの、わかる?

KinA