「人を呪わば穴二つ」地獄少女 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
人を呪わば穴二つ
「地獄少女」はテレビアニメで数話視聴して、怖いのに目が離せない独特の世界観に病みつきになりました。そんな作品がどう実写化されるのか興味をもって鑑賞してきました。
まずは、ビジュアルですが、これはよく寄せていたと思います。橋本マナミさんの骨女もよかったし、麿赤兒さんの輪入道はもはやそのもの!玉城ティナさんの閻魔あいは、少女というには大きすぎで、イメージとは違いましたが、見慣れてくるとそれほど違和感もなくなり、これはこれでアリでした。せっかくなのでもっと出番があってもよかったんじゃないかと思います。
ストーリーは、地獄通信による復讐劇を織り交ぜながら、二人の少女の友情を描いています。序盤で物語のカギとなる地獄行きを見せつけ、観客に世界観を認識させたのは、初見の方にも優しい導入でよかったと思います。あわせて、以降の進行役となるカメラマンを置いたのも、スムーズな展開につながっていてよかったです。
しかし、少々残念だったのは、二人の少女の掘り下げが浅かったことです。まず、遥のバックボーンが十分に描かれていないため、彼女の行動がいまいち理解できず、ちょっと腑に落ちなかったです。そのため、美保が自身の地獄行きと引き換えにしてまで遥を助けようとしたことも、なかなか共感できませんでした。
あと、作品全体を通して、人を呪うことの代償の大きさとして「人を呪わば穴二つ」をもっと際立たせて欲しかったです。前半までの救いのない展開こそが地獄少女の真骨頂であり、そういう意味では後半はやや失速した印象でした。
まあ、多少の不満はありますが、実写化としてはまずまずの作品に仕上がっているのではないでしょうか。
おじゃる様、こんにちわ~
漫画、アニメの実写化はほとんどハズレばかりの日本映画の中にあって、これは十分成功している例ですよね。
依頼人も地獄行きだけど、執行猶予が死ぬまで続くんだから、そのうち忘れてしまいそうですw