「厳しく言わせて頂ければ」ヒューマン・フロー 大地漂流 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)
厳しく言わせて頂ければ
2016年頃から世界各地で起きた数十万〜数百万人の難民を追いかけたドキュメンタリー。
【以下個人的な意見がかなり含まれます。不快に思う方もいるかも知れませんがご了承ください。】
船や歩きで裕福な国へ移動してくる難民がメインだが、これ全て「難民」と定義して良いのだろうか?
国籍も剥奪され、戦争や紛争などで故郷を無理やり追われたロヒンギャ族や、八方塞がりで隔離されたカザ地区の様な人々ならまだ「難民」と呼べる。
自国の為に、または自立の為に踏み留まっている。
人々がまだまだ諦めて無いからだ。
しかし、この映画に描かれているシリア、イラクからヨーロッパへ富や自由な暮らしを求めて国境を渡ってくる移動難民の方々には賛同出来ない。個人的戦いもせず自国の地を捨て、自分の身を守る為にやってくる方々だ。
裕福な国でも自国の地にて過去数世紀色々と苦しみ抜いた末に勝ち取った今がある。一部ヨーロッパの国々が難民を受け入れない理由も共感出来る。
「ヨーロッパは民主主義と自由の国だ」だと語る青年難民が居た。何故君らがヨーロッパにたどり着けばそれを直ぐに勝ち取れると思えるのだろうか?
1951年の移動難民話もあったが、その当時は生死を掛けた「命がけ」の国境越えであり、昨今の人達の国境越えは「命がけ」に見えない所もある。
タバコも吸うくらいの余裕である。
このドキュメンタリー映画は難民寄りだ。
同情を誘うシーンが多い。しかし、自分自信と戦っているシーンや、自分が故郷で何を頑張って来たのか語るシーンが少ない。
また、覚悟の無い難民が映し出されており、その方々のコメントは「未来への愚痴」にしか聞こえなかった。
「裕福な国が何とかしてくれるっしょ?」が目立つのである。子供の映像は多いが同情はしない。
(なので映画評価は私は低い。)
「日本の様な平和ボケ人種だから、鈍感なコメントしか書けないのでは?」と言われそうだが、そう思われても結構。
今回、個人的思想が入り申し訳ない。
本当に「自立」を目指す難民の方々には力を貸してやりたい。