「一人でも多くの人に知って欲しい難民の現実」ヒューマン・フロー 大地漂流 とえさんの映画レビュー(感想・評価)
一人でも多くの人に知って欲しい難民の現実
一人でも多くの人に観て欲しい作品だった
この映画で描かれているのは「難民」の現実
ヨーロッパ、アフリカ、アジア、アメリカにある難民キャンプや、移動する難民の姿を取材し、記録している
日本は、周りを海に囲まれていて他国と地続きになっていない
だから、難民が歩いて日本に入ってくるようなことがない
そのためか、私自身も、国を追われて住むところがない難民たちの現状について、他人ごとになっているなと思った
私が思っていた以上に、世界中に難民たちが溢れ、過酷な生活を強いられているからだ
彼らの生活を観ているだけで、胸がしめつけられる思いがした
そんな彼らの過酷な生活の中で、とても印象的だったのが、子供たちの姿だった
どこのキャンプでも、純粋無垢な子供たちの笑顔は輝き、楽しそうに駆け回っていた
しかし、今はそうやって笑顔が輝いていても、彼らが大人になる頃には、生活していけない現実を恨み、中にはテロリストになってしまう子もいるんだろうか…と考えてしまった
そう思うと「難民お断り」と言う看板を掲げ、高い壁を作ることが、本当に国の未来のためなのだろうか
彼らに人間らしい生活を提供することの方が、後々、国にとって未来の資産になると考えるのは、おかしなことなのだろうか
彼らは、犯罪者でもテロリストでもない
人種や宗教が違うというだけで、住む場所を追われてしまった無実の人々だ
それぞれの国に、様々な理由があるだろうというのもわかるけれど、彼らに対する態度に、人権など微塵も感じられないのが、とても悲しかった
この映画に希望があるとすれば
一人でも多くの人が、この映画を観て、難民の現実に触れ、何かできることはないかと考えることだと思う
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