「コロナ前の分断されたアメリカの姿」華氏119 akkie246さんの映画レビュー(感想・評価)
コロナ前の分断されたアメリカの姿
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マイケル・ムーアが見せるアメリカの姿は、不正、強欲、理不尽が蔓延る醜悪で巨大な国家。
アメリカの暗黒面や、ファシストのやり口というものを知っておくことは、この複雑な時代を生き抜く上でとても重要なことだ。
彼は、資本主義を叩く。ドナルド・トランプのやり方とトランプの支持基盤である共和党と、軟弱になっている民主党を叩く。銃社会を叩く。
彼は、労働者階級の味方であり、権力というものを持たない若者や貧困で苦しんでいる教育者たちを強く映し出す。
鉛を含んだ汚染された水道水。
中学生、高校生たちが政治的な行動に青春を捧げている場面。SNSの発達がいまや一夜にして巨大な勢力を生むことができるようになっている。
彼らは、一部の教師に銃を持たせるべきだと公言する大統領と闘っているのである。
ドナルド・トランプとその一派のやり口は、民衆を可能な限り分断し、ときには軍事力で民衆の力を押さえ込むという方法だ。民衆が健康である必要はなく、支配するためにはなるべく馬鹿を多く作ること。
しかし身内の力を削いでゆくというそのようなやり方では、国力は衰えるばかりだろう。
つまり、トランプ大統領のもとで、苦労している民がいる一方で、トランプ支持をすることで得をしている層が一定数いることが浮かび上がってくる。
しかし、カメラはそこまでは行きつかない。
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