峠 最後のサムライのレビュー・感想・評価
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理念で映画を作ってはいけないのではないか?
(完全ネタバレですので映画を見てから読んで下さい)
正直、主人公の河井継之助(役所広司さん)が何がしたいのか伝わって来ませんでした。
徳川家との義を全うするために自らの命を懸ける訳でもない。
民のために恥を捨て、頭を垂れて新政府軍の西軍と交渉する訳でもない。
(あのような、我を通しながら相手に譲歩を迫る交渉の仕方で上手く行くはずがないのは当然ではないか、と半ば呆れて見てしまいました。しかも思慮工夫なく長々と‥)
新政府軍の西軍にも旧幕府の東軍にも属さない武装中立を目指すとか言いながら、その現実性に責任を持ってるとも思えない。
新政府軍の西軍との戦いで退却し城を捨てよと命じた後に、再び城を取り戻すと決起し、しかも4日で再び城を失う。その一貫性のなさ。
ガトリング砲で西軍を蹴散らしながら、のちに城奪還のために戦う時には銃を使うな!と正反対の指示をする。
正直、観客の私からは、河井継之助の言動はあらゆる主張が支離滅裂だと思われました。
挙句には「自由と権利」が大切との主張をしますが、その前に、義を通すとか、己を捨てて部下や民を守るとか、やるべきことが山のようにあるのではないかと思われました。
このような理念スローガンだけ唱えるやり方では、当然、民も部下も守れず、このような最後になるのは目に見えていたと思われます。
最後の自害の場面もしっかりとは映されず、あらゆる場面描写から逃げている映画と残念ながら思われてしまいました。
さすがに司馬遼太郎氏の原作はきちんとした描写がされていると思われます。
であるならば、脚本を書いた小泉堯史監督の責任が本当に重たいと思われます。
小泉堯史監督は次作はしっかりとした脚本家に任した方が良いと思われます。
黒澤明監督もこれはいかんと思っているのではないでしょうか。
役所広司さんをはじめとして役者の方々の演技は素晴らしかったと思われます。
映像からもスタッフにも問題あったとも思えません。
つまりひとえに脚本の問題が大部分だったと思われます。
映画も人間も、空虚な理念やスローガンを掲げて描いてはいけないと思われます。
その問題が露骨に表れた映画だったと残念ながら思われています。
空虚な理念やスローガンをまず捨てるところから始められることを願っています。
なんか惜しい
長岡戦争に入るまではワクワクもしたし期待感もあったのだが、戦争に突入せざるを得なくなってから、ただ時間が流れていっただけだった。
役所さんの継之助良かったし松たか子の奥様も良かった。
で結末があの終わり方?😅
炎を見つめてナレ死 それは感情移入できないでしょう。
なんか惜しいなぁ(>.<)y-~
役所広司の演技力を見る
長岡と言うと、米百俵と花火しか知らなかった、ましてや河合継乃助なんて知らなかった。
でも何がすごいって、役所広司の 腹の底から発する台詞力だ。ほぼほぼそれに尽きる。映画自体は幕末 最少藩の話なので、幕末話に疎い私としたら ちっとも訳が分からない。だが、しかし、松たか子の着物を着慣れている様子、所作の美しさ、そして盆踊り時の その手の動きがとてもしなやかで付け焼き刃じゃ無い鍛錬に基づいたものがあった。
その二人 冒頭 おすが役の松たかこが継乃助のひげを剃っているシーンがある。ん?親子⁈と思ってたら 夫婦だと。うーん、その設定はちと無理があった。
母親役の香川京子、久しぶりにスクリーンで見たが、凛としていて 座っているだけなのに そのいずまいが画面を締めていたのはさすが。 要所要所に、へーと思った俳優を配していたが、予告を見て 期待してみた私にしたら、ふーん‥と 思って つまらんと感じた次第。
熱さを感じなかった。
風雲児?
期待して観たが残念だった。
個人的に幕末は好きであり、のちに起こる会津藩の悲劇と長岡藩の河井継之助をどう描くのか期待して観た。
大政奉還~戊辰戦争の描き方があっさりし過ぎて、また新政府軍の動きも一度の交渉があるだけ。戦いのシーンも迫りくる感じでもなく、河井自ら応戦するがそれもリアリティがない。最後のサムライというタイトルの意味もピンと来なかった。
静かに渋い映画だけど、熱くなれない
とにかく日本映画界の重鎮を集めたみたいな顔ぶれ。
渋くていいんですけど、主人公のこだわりがいまいちわからないというか。
大金をかけて武装や、西洋式兵隊の教育をしているかと思いきや、戦争をしないというこだわりがある、主君(仲代さん渋い)が徳川に忠誠を使いたいという思惑にも従う姿勢。
結局幕府側につくことになるわけですが。。。メッセージがころころ変わるような気がして、、もちろんそういう時代なので、その中での武士の在り方・・・ですかね。
長岡藩って幕末でもそんなに目立っていたわけではないので、なぜ長岡なのか、長岡の地元の資金があるのかなとか、そういうことが気になってしまいました。
鎮魂歌の趣
主人公の何を描きたかったのだろう
幕末に生きた主人公を知りませんでした。
なので物語としてはフラットな状態で観たのですが、この物語は主人公の半生を描きたかったのか?それとも幕末の長岡に起こった戦いを描きたかったのか?どっちなんだろう。
主人公の半生なら江戸時代が終わる前からじっくり描いて欲しかったし、逆に長岡での戦いに焦点を当てるならもっと緊迫感をもって描いて欲しかった。
また最初から大政奉還を描くの?ってことで、主軸がブレてる様にも思えた。そのあとナレーションが流れ、本筋に入るんだけど、この大政奉還のくだりがなぜ必要だったのか?分からなかったし、観終わって不要なくだりを多く感じました。
最後に出演者を考えると勿体ないと思いました。
やっぱり原作を読んでしまうと物足りない
グッと胸に迫るものもなく……
予告編を見て、本作を鑑賞するのをとても楽しみにしていたのですが、ちょっと期待はずれでした。残念です。『蜩ノ記』のほうがだいぶよかったなぁ。
潔い主人公の姿、そして役所広司の熱演にもかかわらず、グッと胸に迫るものもなく……。
というか、その熱演がどうも作品にぴったりと収まらず「役所広司 独演会」みたいになってしまっているなと感じたりもしました。
とにかく何だか物足りなかったです。歴史や道徳のお勉強じゃないのだから、もっと映画としての、エンターテインメントとしての、面白さや盛り上がりが欲しかったように思います(エラそうなこと言ってスミマセン)。
久しぶりに仲代達矢さん(年とったなぁ)をスクリーンで観られたのはよかったです。
それにしても、タイアップかなんか知らんけど、あのエンドロールの石川さゆりの歌、必要なのかなぁ。
追記
本作は、観客にある程度の鑑賞能力が求められる作品だと思います。
『燃えよ剣』などと同様に、物語の背景となる、幕末~明治維新にかけての基本的な史実を押さえておかないと、「何をやってるのかイマイチわからん」、いや、もしかすると「さっぱりわからん」ということにもなりかねません。
それから、登場人物のセリフを正確に聴きとり、理解する力も必要でしょう。普段つかわない馴染みの薄い言葉がいくつも出てきますので、歴史につよくない人なんかは、ストーリーに入っていきにくいかもしれません。
古き時代劇という感じ
河井継之助の何がすごいかがわからない作品
エッセンシャル版「峠」ですらなく…
通常スクリーンで鑑賞。
原作は既読。
原作の、主に下巻部分の映画化である。河井継之助の人物像は司馬遼太郎氏がつくり上げたそれだが、北越戦争に至るまでの継之助の行動(上巻と中巻に相当)が描かれていないため、何故長岡藩の自主独立を目指したか、なんのための戦いだったのかがイマイチ分かりにくくなっていると感じた。
やはり文庫本3冊分の原作を、映画で、しかも2時間以内でまとめるには、継之助の人生の集大成である北越戦争に絞って描くことが最良の方法であったのかもしれないが、それにしても時間が足りなさ過ぎの感があった。
北越戦争のシーンにしても、戊辰戦争における激烈な戦闘のひとつに数えられる戦いなだけに、凄惨さを感じさせる描写を期待していたが、戦闘場面が殆ど無く肩透かしを食らった。
特に残念だったのは信濃川から新政府軍が侵攻した場面。原作では折からの豪雨で増水した信濃川が天然の防御壁となり新政府軍を阻んでいたため、よもやここを渡っては来ないだろうと云う理由で兵力をあまり配置していなかった。
だからこそ、信濃川から敵の大群が押し寄せたために継之助の驚愕に繋がるのだが、本作では豪雨の描写は無く平素の信濃川であり、すんなり渡って来られたようにしか受け取れない描写で、継之助の驚愕の意味が分からなくなっていた。
そもそも「峠」の必要があったのか。あくまでも「峠」であらしめるためには、連ドラにすべき案件であろう。
映画化における最適解ではあるものの、そのせいでとても浅い作品になってしまっている気がして、かなり残念だった。
[以降の鑑賞記録]
2023/09/09:Amazon Prime Video
※修正(2025/02/01)
万事が古臭いし日本映画が最悪だった頃の作りだ
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