「継之助の良さ分からんだろうね」峠 最後のサムライ 世界の尾張名古屋さんの映画レビュー(感想・評価)
継之助の良さ分からんだろうね
原作は上、中、下とあり、今回はほぼ下巻の部分にあたります。確かに下巻はクライマックスにあたり一番面白い所なのですが、それは上、中があってこそのモノであり、下巻だけだと今一つ坂本龍馬と並び称された河井継之助の良さは伝わりません。
この映画だけ見た人は、ただ西軍が西から攻めてきて、「ちょっと待ってくれ話し合おう
」と和平交渉するが決裂したので、徳川幕府に恩義がある以上仕方ないから迎え討とうとしたが、やはり戦力に勝る西軍を抑える事が出来なかった。と言う短絡的な話で終わってしまったのではないでしょうか?
実はこの話は上記の、「ちょっと待ってくれ話し合おう」と言う所と、徳川幕府に恩義があるという武士道の所、あと主人公の人間性や先見の明がある所、ここがポイントなんでが、2時間もない枠ではそれらを描くまでは流石に無理があり、最新のガトリング砲はあるもののそれも使い切れず、それ以外は制服を見ても西軍の方が洗練されていて、勝てる見込みのない戦をそのまま負けてしまっただけになってしまった感があります。公開までに結構時間がかかりましたが残念ながら中途半端に終わってしまった、いくら役所広司が名優でも演じきる事は難しいでしょう。
私は上、中も原作を読みました、これは3時間近くの大作になるんだろうなと思っていました。もう少し時間をかけても何とかならなかったのかなと思いました。
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