「河井継之助の行動には、答えを見出せない」峠 最後のサムライ bionさんの映画レビュー(感想・評価)
河井継之助の行動には、答えを見出せない
学生時代に原作を読んだ時の読了感は重苦しかったことを覚えている。大きな時代のうねりに対して結局は、蟷螂が斧になってしまった河井継之助。河井継之助の行動には意義はあったのか、その答えを見い出すことはできなかった。
『峠』の最後の1年間が、今回の作品で描かれている。なので、若い時分の継之助は割愛されているし、江戸遊学中に通った吉原のような華のあるシーンはない。継之助を継之助たらしめている戊辰戦争の期間に焦点を絞ったことで、継之助の苦悩と覚悟が痛いほど伝わってくる。
西軍に降伏すれば、味方である会津藩への最前線に送られる。武士の誇りを全うすれば逆賊の汚名を着せられる。
河井継之助の行動への答えは、今回も出せそうにない。
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