「「時代」と戦った「武士」の物語」峠 最後のサムライ 焼肉定食さんの映画レビュー(感想・評価)
「時代」と戦った「武士」の物語
クリックして本文を読む
司馬遼太郎先生の名著「峠」の実写映画。
江戸から明治という大きな時代のうねりの中、「時代」と戦った長岡藩家老河合継之助の物語。
司馬先生の歴史小説は好きで昔はよく手に取っており、本作も過去に読んだことがあり、この度実写映画化ということで鑑賞。
時代の流れを読み、小国長岡藩の軍備の近代化に努め、「藩の独立」という先見の明を持ちながら、「武士」としての生き方に殉じた男の最後の生き様を描く。
私はただの浅ーい部分での「歴史好き」「映画好き」おっさんなので、原作と史実の違いだったり、時代考証などを語る学も知識もないが、昨年の10月に公開された、同じく司馬先生著の「燃えよ剣」が比較的アクション多めな内容に対し、(ガトリング砲という目玉はあるものの)武士という生き物の生き方に焦点をあてた作品という印象。
「燃えよ剣」にも言えることだが、原作を読んでいないと内容や話の流れを理解できないため、鑑賞するなら原作を読んでからの鑑賞をお勧めする。かく言う私も、原作を読んだのはかなり前だったため、細部の理解がいまいちな部分があったのが悔やまれる。
歴史小説が原作ということもあり、大政奉還~明治にわたる中での戊辰戦争についての最低限の知識が求められるため、はっきり言って万人に刺さる映画ではないかとは思うが、逆に歴史好きな方には是非おすすめしたい。
キャストはほとんどチェックせずに見てしまったが、個人的には主演の役所広司をはじめ、俳優陣の演技はとても良かった。
最後に、長岡城撤退の際に、城を「ただの建て物」と言い放つ継之助が、個人的に一番ツボでした。
コメントする