「笑顔にする映画」パッドマン 5億人の女性を救った男 yukarinさんの映画レビュー(感想・評価)
笑顔にする映画
冒頭の結婚式から、音楽だけの台詞のない新婚夫婦の日々は
それだけで十分にこちらを笑顔にしてくれる
妻のことが大好きで、彼女を笑顔にしたい夫
その夫のことがとても大切で、その愛情に喜びを隠しきれない妻
ところが、妻の生理が来たところから、ふたりの幸せな日々に陰りが生じる
忌むべきものであるため、そのあいだは家の外のベランダで生活する妻
穢れたものであるため、妻の肩に触れることすら許されない夫
そして、サリーの下に隠して干し、繰り返し使用する不衛生な古布の生理用品
しかし、薬局で購入できる生理用品は、とても高価すぎる
夫は、はじめて生理を取り巻く状況を知る
その不衛生な生理用品で、妻が病気になったり、命を落とすかもしれないことも知る
そして、妻のために、生理用品を作ることを決意する
生理と口にすることさえ禁じられたような価値観の中、
夫のしようとする事は、女性の誰にも、妻にすらも理解されない
そうして、狂ったと言われ、妻と引き離され、村を後にすることになってしまう
それでも、夫は、諦めない
しかし、その彼の行動は、結果的にインドの女性だけではなく、他国の女性すらも救うことになる
生理だけではなく、女性の自立を促す基板にすらなる
まともな学歴さえない彼が、これだけのことを成し遂げる時点で、
本来はとても聡い人なのだろうと思う
それに、無欲だ
驚くほど無欲
でも、もし彼が無欲でなければ、ここまでのことは成し遂げられなかっただろうと思う
国連に呼ばれ、行ったスピーチで、無欲な彼の想いの全貌をようやく私も理解した
これが実際の話を元にしているというのだから、驚く
そして、もうひとつ驚く事は、観ながら、ほとんどの時間を笑顔で過ごしていたことだ
観ているだけで笑顔にしてくれるような話
ただ、ラスト、パリーがいい女すぎて、誰も悪くなさすぎて、無性に泣けた