劇場公開日 2018年12月7日

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「屈しない男」パッドマン 5億人の女性を救った男 andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0屈しない男

2018年12月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

「生理」におけるタブー感は日本でも未だ根強い。大きな声で生理ですって言い難いし、あの痛みや出血を不浄なものとして扱う風習、まあインド程ではないにしてもあるはずだ。
だが本作の主人公、パッドマンは恐れない。彼は学はなくとも大変賢いので「このままでは危ない!」ということに気づき、愛する妻を守るため立ち上がる。
...のだがもうこの後のパッドマンのやられっぷりたるや散々である。知識...大事である。変態だの地獄に落ちろだのクズだの散々言われて結局妻も実家に戻され...この展開は観ていられない。パッドマンは屈しないが、私だったらとっくの昔に屈しているレベルの偏見である。
私の頭ではどう考えてもおかしな展開なのだが、彼らの中ではそれが常識。常識から外れるということの怖さを感じる。「恥」の感覚の強さも含め。
後半は村を出たパッドマンが奇跡の僥倖を経て成功を遂げる典型的なサクセスストーリーとなるが、ここでもパッドマンの思考が光る。彼は常に誰かの為を思っている。妻の為から多くの女性の為に。広がっていく彼の思考とラストの英語スピーチ、あとものすごく深い愛、仲間、成功譚の全てがこの物語に詰まっていると言っていい。
異文化を理解する、ビジネスを学ぶという意味でも本作はとても優れていると思う。

andhyphen