「中国新時代を代表するアニメ作品」紅き大魚の伝説 ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
中国新時代を代表するアニメ作品
日本アニメの影響を強く感じさせる中国のファンタジーアニメだが、一周回って帰ってきた来たと言うべきだろうか。『白蛇伝』などの初期東映アニメーションは、むしろ中国伝統の物語の影響も強いし、50~60年代は中国はアジアのアニメーション大国でもあった。監督たちは宮崎駿の影響を公言しているが、宮崎駿の原点が『白蛇伝』であることを考えると、そのセンスが先祖帰りしたと言える。
物語のモチーフは荘子「逍遥遊(しょうようゆう)」の引用から始まる。無為自然の思想で、人為的な振る舞いを良しとしないこの思想が根底にある物語だが、人ならざるものにも等しく生命を吹き込むアニメーションという技術にふさわしい題材だ。
物語のスケールも大きく、美術も美しい。少女がイルカに変身するシーンの作画も抜群に良い。音楽を担当しているのは吉田潔。壮大な世界観にふさわしい荘厳なスコアを作っている。
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アンドロイド爺さん♥️さんのコメント
2023年1月27日
正確には東映アニメでは『西遊記』だと思います。
また、宮崎駿先生はこの頃まだ17歳でスタッフに名前を連ねていません。勿論、ご覧になっているとは思います。従って、
日本アニメの原点はディズニーであり、それをリスペクトした手塚治虫先生が原点だと思います。宮崎駿先生や高畑勲先生は原点を継承したと思います。そして、大塚康生先生や森康二先生を忘れてはならないと思います。彼等は漫画家ではない手塚治虫先生と同世代のアニメターで、日本アニメターの元祖です。知って頂きたいのは、アニメーションは総合芸術であり、名前のあがらないアニメターが沢山いると言うことです。宮崎駿先生一人が日本アニメを作った訳ではありません。勿論、ジブリが日本アニメの礎である事は認めますが。