楽園(2019)のレビュー・感想・評価
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村八分ってこういうこと?
田舎暮らし、憧れるんだけど、実は結構、馴染めなくて大変とも聞く。
この江戸時代的なコミニュティ。まさか、今の時代にそんなことあるの?と思いきや、
ゴミ捨てちゃダメとか、道路の雪かきしろとか、消防団に参加しろとか、本気で言われるし、言われない場合は、無視されたりする。
いい大人が何やってんの?これってイジメじゃね?とか思うけど、いやいや全てを牛耳っているのは、昔から住んでいる地元の人。
このコミュニティを蔑ろにして暮らすなんてことは、田舎では死を意味する、、、とまでは言わないけど、なかなかに大変なこと。特に老父婦で移住、というより、若い夫婦で子供もいて、なんていう方がより大変。子供の学校での繋がりとかあるから、無視したくても出来ないし。
でも、田舎の暮らしは、本当に癒されることも事実。私は、疲れた時に山とかきれいな景色とか見ながらぼーっとすると本当に幸せな気持ちになる。
結局は、人間は自分の立場を誇示したり、外から来た人を排除して、攻撃する対象を作ることによって自分を守る。もちろん、都会でも同じような思いはするけど、都会の方が、お金で解決できることがたくさんあるし、ある意味お金さえあれば、コミュニティにおいて排除されるなんてことは起きない。
人間は一人では生きていけないんだけど、同調することで他人を傷つけても平気な人間にはなりたくないと思う。
それぞれの苦境、それぞれの生き方。
「犯人は誰なのか?」を主題とするパターンで展開される王道ミステリーのサスペンス調かと思いきや…
事件をめぐる長い軸が貫かれているわけではなく、事件を起点にそれぞれの苦しみに生きる限界集落の人々の人間ドラマが重なり合い、厚みを生み出している作品。
だから、事件の犯人や、その手掛かりはことごとく伏せられたまま未解決で幕を閉じてモヤモヤは多少残るものの、そこはむしろ要点ではない。
事件によって皆が別々の傷を追い、そこからの歩み方も全く違う。大小様々な感情や衝動が各々の内側に渦巻き、各所でぶつかり合い、観る側が痛々しく思えるほどに人間臭い。人の醜さが生々しい。
だからこそ観賞後のベースとなる感情は胸糞悪いものかもしれないし、痛みを伴って「楽園などあるのか?(反語)」と問うているのかもしれない。
振り返れば、それぞれの苦境や傷跡から立ち直ろうと必死に考え方や生き方を工夫する登場人物が確かに存在したという事実に、ふと勇気づけられる。こんな風に考えられたら、こんな風に生きられたら…と思える部分が確かにある。
この人は、あれからどんな生き方をしたか?
そこを見つめながら、不器用な登場人物たちを愛しながら観ると、この作品の厚みを感じられるかもしれない。丁寧に見つめて愛せば何か感じるものがあるのは、出演者の高い演技力のお陰。
とりわけ杉咲花は「湯を沸かすほど熱い愛」の熱演でさらに個人的な注目度は増していたが、やはり逆境に立ち向かうパワーと健気さを表現する引き出しが多く、期待しか感じない。
余談。
上白石萌音の主題歌が作品と最高にマッチしていて、胸糞悪さを軽減し希望を見出せるよう導いてくれる陰の立役者になっている。
そしてヌードを披露した片岡礼子は、50歳手前にして美しい身体。いやらしさよりも美しさが勝っている。
ぐちゃぐちゃの中心にはしっかりとした芯がある、そんな映画
直前まで一緒にいて、きっと後悔と悔しさとやるせなさと全てがごっちゃになった気持ちを、永遠と背負わされた彼女。
どこにも居場所を見つけられず唯一信じられる大切な存在を奪われた彼。
些細な出来事で今まで積み上げきた全てのものを失い、もうどうにもならない状況になってしまった彼。
孫がいなくなった今、誰かに責任を押し付け犯人だと騒ぎ誰かを犠牲にすることしかできなくなってしまった彼。
それぞれの罪を明確な言葉ではなく、鑑賞者に預けて想像させるこの映画がとても好き。
見終わったあと、心えぐられる映画だなと思ってホームページとかを改めてチェックしていたら、キャッチコピー?っていうのかな?それが、心えぐられる映画 って出てきて本当にそう、すごくわかるってなりました。なんだろう、このやるせなさというかどうにかしたくなってしまう反動に駆られるというか、、、
とにかくそれぞれのキャストさんが素晴らしく上手すぎて本当に引き込まれます。素晴らしかった
3部に分かれて
いるようで、分かれていない。それぞれの人たちの村での生きる立場が描かれているのだが、観終わっての印象はあまりピンとこないのは何でだろう。つむぎや犬や善次郎氏やいろいろな人の感情や生い立ちに話が飛んでフォーカスされないからかもしれない。。。ちょっと残念〜〜
くそ村
てっきり犯人探し的な内容かと思えば、閉鎖的な町なせいで人間が狂っていく内容でした。
こういうコミニュティでは村八分や、決めつけで居心地悪い人も絶対いると思う。
見てて胸糞悪い内容でした。
でも、佐藤浩市さん、いい人すぎるこの人があんな惨劇を引き起こすようにはちょっと見えないかな?
犬好きに悪い人はいない。
キャストとしてはちょっとイメージ違う
綾野剛はとても、演技がよくて、でも滲み出る優しさ、ラストのほうどう考えてても犯人は、、ってなっちゃうけど失踪した女の子、実は生きてて成長して東京でって思うほうが幸せだよね。
なんだか、俳優が豪華って印象が第一で差別とかそういった内容を含んでいたりどうにも地味なんだけどそこそこには見れてしまうんだよね。
日本のネチネチした部分を集めた内容。
杉咲花はとても魅力的だったね、でもあまり話に濃密に関わるわけではないので、少々退屈でした。
重い…が素晴らしい
原作未読で鑑賞。
観終わって何とも言えない重い悲しい気分になった。
村社会や人種差別、偏見など人間の弱くて醜い部分がリアルに描かれていた。
優しくて繊細なひと程追い詰めらていく。。観ていて辛かった。
綾野剛さんの演技が特に印象に残っている。
素晴らしい故に苦しい
とてもキツい映画でした。
役者さんがみんな素晴らしい演技なだけに
余計にしんどかったです。
ある程度結末と犯人も断定してるところも良かった。
短編二編をくってけてるみたいだけど、
ちゃんと一つの話になってて、あとからそうだったんだと
気付いたほど。
人間の悪い部分を全部観た。
そんな感じでドッと疲れました。
綾野剛さんが軸な話では、
犯人は分かってないはずなのに、皆が決めつけて動く。
今のSNSとやってる事が変わらない。
柄本明の純粋なる悪。自分では何も悪い事してないと言う
狂気を感じました。
杉咲花さんを一生苦しめる言葉。それでも生きて行くと
決めたラストは力強かったけど、
物語の中ではずっと悩むキャラだったので、
救いは村上虹郎さんの笑顔にありました。
そして映画を象徴する存在だったようにも思います。
佐藤浩一さんの話しでは、
田舎の悪い所が全部出てる気がして君悪かった。
そこらのホラーよりよっぽど怖い転落に震えました。
みんなから期待されてたあの男がこの結末を迎えるのか!と。
ラストもY字路に持って来て収まりよく、
ただただドッと疲れました。
後味が悪いけど役者さんの迫真の演技が良い
後味が悪いけど、救われたのは全てのキャストの方々の素晴らしい迫真の演技力。
正に迫真の演技のダイジェスト版(笑)
自宅観賞でしたが、映画館で観ていたら違った印象だったかもしれません。
事件があったY字路。
人生の選択肢を表現したかったのか?
全てのストーリーが間違えた選択をして進んで行く展開な感じ。
「楽園」をこの作品中では見い出せなかったけど、みんな、それを目指すために生きていたのかなぁ。と。
そんな中でも杉咲花さん!
相変わらずの演技は素晴らしい。
本作では彼女が自分の楽園でした( ´∀`)
楽園とは??
吉田さんの小説が好きでしたので映画を見ました。
小さな町で生きる人たちの価値観が歪み、偏見やいじめが残酷な殺人に発展していく物語です。
大切な人を失う悲しみをいつまでも乗り越えられない被害者、ラストは痛みとともに生きていく❗とまとまり少しだけ光が見えてのラストは、やはり虚無感が残りますがハッピーエンドは似合わない映画でしたからこれで良かったかなと!吉田さんの小説が好きな人は見て損はしないはずです。
よそ者を排他的削除する集団心理
既に限界集落には無いと思いますがね、何故ならがめつい人々が殆ど居ないのだから。残り人生で諦め半分だし。
大都市になれない中途半端な都市の方が排他的沢山。
転勤・遠方長期出張などで色々場所周る人間にはそれが見える。
保守的で排他的な土地や人間が。よそ者に荒らされたく無い。邪魔されたく無い。仲良い仲間達のみで人生送りたい。
愚痴からはじまりましたが、今回は「楽園」
吉田修一の短編小説から2作を選び合体させての映画化とは聞いておりましたが、感想を並べさせて頂きますと
・映像演出が下手(特に前半)。原作と俳優で保っている様な作品。
・限界集落や榎本ジジイの言葉など時代に合っていない感あり。古臭い。
・人間排他、闇、老害などイヤミスをとことん観せつけるのは構わないが、オリジナルで作成した「楽園」タイトルに何かと結び付いていない。虹郎の終盤一言での無理やり感あり。
・二つの短編集を繋げる意味が見出せなかった。小説のグレーゾーンがハッキリになってしまい、小説の良さが失われている所あり。
など、私とすれば小説の映画化は百歩譲るが、映画の価値は見出せなかった。
排他的、保守的人間はこんなイヤミス映画観る訳&考える訳ないし。
まぁ、悪い意味で人間の特徴が出ている映画でした。
深く考えさせられた
友達と見る映画を決めずに映画館に行き、適当にこれでいいんじゃない?という軽い気持ちでこの映画見ようと思いました。いざ映画が始まると、見入ってしまいあっという間に時間が過ぎてしまいました。映画を観終わった後も、色々とこの映画について考察してみたり、村八分の現状など高校生の自分に刺激を与えてくれました。
たまたま見た映画でこんなにも心を揺さぶられるとは考えてもいなかったので、この映画に出会えたことに感謝したいと思います。面白かったです。
楽園とはなにか
重く息苦しい作品。
要所要所で監督の白々しい描写が感じられて冷める部分もあり。
それはさておき、この作品で浮き彫りになったのは田舎町の独特の閉鎖空間だ。
綾野剛が容疑者として浮上したとき、村人みんなが誰一人疑うことなく証言を信じて行動する同調圧力に気味悪さを感じた。
その末にみんなで自宅に押しかけ追い詰められた容疑者は焼身自殺を図る。
ここに田舎町の閉鎖空間ではみ出し物になると生きていけなくなる恐ろしさを垣間見た。
また、佐藤浩市をみなで村八分にした閉鎖空間の同調圧力も不気味だ。
よってたかって一人の人間を敵にして団結力を強める。
田舎町のネガティブなイメージをより一層強化することとなった作品であった。
ということで、楽園というのは田舎町とは対象的な開放感のことを指しているのではないかと思わせられた。
マイノリティが阻害される村社会
村八分という言葉の通りの物語だ。田舎に住む人間は既得権益を侵害されることを物凄く嫌う。自分らと同じ方向を見ていない人間はまず危険視する。マイノリティが最も生きにくいはズバリこういった田舎だろうと思う。
佐藤浩市、綾野剛、新旧銀幕のスターが不条理な楽園とは言いがたい世界でもがき苦しむ。
瀬々監督はこういう作品をずっと撮り続けてもらいたい。もっと賞レースにからんでもいいのに。おまけだけど久々に出番の多かった片岡礼子に感激。
吉田修一の作品は大体そうだが、これもとにかく陰鬱な映画。こういう映...
吉田修一の作品は大体そうだが、これもとにかく陰鬱な映画。こういう映画を都会生まれの若い人達が観たら、とにかく田舎には住みたくないと思ってしまうのではないだろうか?
吉田修一のイヤミス
田舎の嫌なところが盛り沢山の作品。
ほんと過疎地の人間ってこういう考え方をするし、平気で人を陥れる。
狭い狭い世界に生きている人たち。
誰かが犠牲にならないと納得しない。
誰かが虐められていないと落ち着かない。
村ごと燃やしてしまいたくなる衝動を覚える。
吉田修一の傑作短編2作品を見事に合体させたなと思いました。
演出、脚本、キャスティングになんの文句もないけれど、
ただひとつ言うなら、これは綾野剛が主役ではない。
どっちかっていうと、一部は杉咲花、二部は佐藤浩一です。
しかし綾野剛が非常に難しい役を演じたのは本当で、
このために体重も筋肉も落としただろうし、日焼けもしなかったのだろう。
イメージ通りの青年を演じていた。
怪物、柄本明のセリフが耳に残る。
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