「ちょっと勿体ないつくり」アンセイン 狂気の真実 うにたん♪(コロナが当たり前の世界)さんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと勿体ないつくり
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はっきりとした入院の説明なしに看護師が病室へ誘導し入院をさせる。
この映像だけ見ても、ここが普通の精神科ではないとわかる。
法的に形だけでも入院に対して説明が必要だから。
(閉鎖病棟に入院させるのは行動制限をかけると言う事なので、まともに人権を尊重し法を守るならこんな入院はさせない。)
だが、救いを求めソーヤーは警察に電話をする。「ここに強制入院させられた」と。
(通信の自由があるので精神科では電話もあり、警察や弁護士に直接同様の事を言う患者は多い)
ソーヤーは正気であるがために、不当な入院にストレスを溜める。
そしてストレスの元であるストーカー、デビットの登場によってさらに混乱を深める。
精神科は倫理がついて回る所であり、患者の意思と治療が全く噛み合わない事があるのが当たり前なので、物語半ばまでソーヤーが精神的に不安定でストーカーにつけ回されている妄想に駆られているのか?それとも服薬時に現れるデビットが本当にストーカーなのか?観ている方は悩むのだが、物語中盤でソーヤーが借りた携帯で母親に連絡した所から、一気に話が狂い出す。
ソーヤーに携帯を貸したネイトを拷問で殺害し、デビットがストーカーとしての本領を発揮、キモい告白を始めるのだ。
デビットの告白を異常な切り返しで他の患者を巻き込んで逃走するソーヤーはまたも捕まってしまい、山小屋で暮らそうと山へ向かうデビットと最後の闘いを。
ラストのカットで彼女が立ち直れておらず、不安定なままの表情を見せて終わる為、後を引く感じになる。
この作品がミステリー作品であるとするなら、もう少し妄想でソーヤーがおかしいとミスリードさせる工夫しても良かったと思う。
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