「ヒロインはどっち？」スレンダーマン　奴を見たら、終わり　Minaさんの映画レビュー（感想・評価）

「IT/イット "それ"が見えたら、終わり」の二番煎じみたいなタイトルを付けられた本作は、全米ではある程度ヒットした様だが、日本では馴染みの無さからなのか劇場スルーとなり、逆に興行面では劣っていた「スレンダー：長身の怪人」が日本で公開された。その理由は分からないが、個人的にだが作品としてはこちらの方が好みだ。日本のテレビ番組(確かアンビリバボーか仰天ニュース)でも取り上げられた、2014年の未成年者による殺人未遂事件が元ネタになっている。当事者の少女らは警察の調べに対し、「スレンダーマンの手下になる為の生贄を・・・」と話したという大事件があったが、登場人物がティーンの女の子という事から見てもそれをなぞった様に思える。
個人的にティーン向けホラーではあまりいい思いをした事が無く、期待値低めで鑑賞したが、想像以上にきちんとビビらせてくれるホラーだったのが好印象だ。かなり低予算なのは見え見えで、CGの質は日本の作品と変わらない位だと思う。それをダークでややファンタジックにも思える様な恐怖演出でカバーしている。スレンダーマンはあまり前面に出てくる様なキャラクターでは無いと勝手に思っているが、出てきたらちゃんと怖いし、しっかりとキャラクターを確立しており、ティーン向けホラーの一定水準は超えていると思われる。
また、ヒロインでは無いがジョーイ・キングが出演している本作。明らかにウケ狙いの起用だと思うが、仲良しグループの中でも一際可愛さを目立たせていた。クレジットでも真っ先に名前が出ていたが、その扱いで何故主人公ではなかったのかが不思議である。