「【”迷惑をかけたくない・・”徐々に認知症に侵されていく母を支える父と娘の姿。究極の夫婦愛、親子愛を描いた作品。だが、大変重い問題提起を投げつけてくる作品でもある。】」ぼけますから、よろしくお願いします。 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”迷惑をかけたくない・・”徐々に認知症に侵されていく母を支える父と娘の姿。究極の夫婦愛、親子愛を描いた作品。だが、大変重い問題提起を投げつけてくる作品でもある。】
■明るく、社交的で自慢の妻、母が認知症に侵されていく姿は、夫、娘にとっては想像を絶するほど、辛いと思うのだが、私は、今作品では悲壮感よりも、この家族の深い繋がりが印象的であった。
・先進的な考えを持つ両親の理解の元、東京で働いていた娘が病魔に侵された時、すぐに駆け付け、明るく勇気づける母親の姿。
・年月は過ぎ、逆に認知症が進行する母親の面倒を見る夫と娘の姿。特に印象的であったのは、父親の姿である。慣れない家事を黙々と行う姿。
”死にたい・・”と狂乱する妻に、厳しい言葉を掛けるシーンが一回だけ映し出されるが、手を上げるわけでもなく、少し悲し気な表情を浮かべる父。
そして、精神的に相当キツイと思われるのだが、その状況をフィルムに収める娘。
・だが、通常は穏やかな微笑みを浮かべ、妻の面倒を見る夫の姿には頭が下がる。
”助けて‥”と訴える妻の手を握る姿。
<お二人が、いかに仲良く年齢を重ねてきたか。そして、娘の意思を尊重しつつ、大切に育ててきたであろう背景が、透けて見える。
”究極の夫婦愛、親子愛を描いた作品”と書いたのは、それが背景にある。
だが、多くの認知症を抱える家庭で、同じような介護ができるとは限らないだろう。
現代社会が抱える重い課題に対し、我々及び国政に対し、苛烈な問題提起を問いかけてくる作品でもある。>
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