「脚本以上に良い人揃いの人脈が素晴らしい」記憶にございません! movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本以上に良い人揃いの人脈が素晴らしい
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政治とは無関係のホームドラマで、さらりと見てクスリと笑える軽い作品。
邦画の中に社会派映画も増えてきて、余韻に浸れる物やしばらくずーんと来る物もあるからこそ、子供の頃三谷作品を見て笑えた感覚のまま、大人になっても考え込まずに楽しめる作品があるとホッとするし、第一線で作り続けている三谷監督のすごさを実感する。
脚本自体は、ひねりは特になく、ただ平和に見ていれられる内容。悪徳でこれでもかと悪い事ばかりな政治家が石を投げつけられて記憶喪失になり、すっかり改心した善人に生まれ変わるというもの。実は、途中から記憶は戻っており、善人に戻るために忘れたふりをしているのだが。
中井貴一がサービス精神豊かな優しい人間性なのは画面越しでもよくわかるが、悪徳総理時代の映像に、中井貴一にこんなことさせられるのは三谷幸喜だけだと感じる。
三谷作品で今まで香取慎吾がやってきたような立ち位置に田中圭が加わり、ちゃっかりずん飯尾も大きな耳で登場。
女性陣も思い切りよく気前の良い小池栄子に、大抵のことは笑い飛ばしそうな木村佳乃、文句言いつつやってくれる有働由美子、シャープな佇まいだけど器の大きさがある吉田羊、いるだけで許される愛嬌の石田ゆり子が揃えばもう怖いもの無し。総理の血を引く宮澤エマにも全然気付かなかったが、とにかく現場の空気が良いだろうなぁと思わされるメンバー。
演技もコメディも両方できて性格も楽しそうなキャストばかりをこれだけ集められる三谷幸喜の人徳を感じる。
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