「『新聞記者』とは異なるアプローチでの政治風刺が痛快」記憶にございません! よねさんの映画レビュー(感想・評価)
『新聞記者』とは異なるアプローチでの政治風刺が痛快
ということで今朝は去年観逃したこれ、『記憶にございません!』。史上最悪の支持率を叩き出した黒田首相は演説中に投石を頭部に食らって緊急入院。目が覚めると幼少期の記憶以外は失われていた・・・からのコメディってことは誰でも知ってるやつですね。
これは純粋に面白い!昨年話題になった『新聞記者』とは全く異なるアプローチでの政治風刺は絶妙に期待外れのオチと相俟って実に痛快。現首相を絶妙にデフォルメした中井貴一の演技も素晴らしいし、端役に至るまで華を持たせる丁寧な演出も好感触。舞台を演出している監督が映画をやると声を張らせたり大げさな動作をさせたりしがちですが、本作にはそれが一切ないのは映画というフォーマットに対してリスペクトを払っている証拠。邦画の良心ここにありという清々しさがあります。草刈正雄の見事な悪役ぶり、佐藤浩市のヤサグレ感、ディーン・フジオカのクールさ、数え上げるとキリがないですが個人的に一番印象的だったのは官邸料理人の須賀さんを演じた斉藤由貴。彼女がもうアホみたいにキュートでビックリしました。
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