「恐ろしい男」記憶にございません! D.oneさんの映画レビュー(感想・評価)
恐ろしい男
これまでの三谷幸喜作品の中で、政治を題材にした作品は今作が初めてなのではないでしょうか。政治を喜劇として扱ったらどんな形になるのか…!(しかも三谷幸喜によって!) ずっとワクワクしながら公開を待ちわびておりました。
やはり、期待を裏切らない安定の三谷幸喜劇場。観客を笑わせる手腕は衰えておりません。
ただ、本作にはこれまでの作品とは明らかに違うところがあります。今回鑑賞して、喜劇がもつ底知れぬ魅力と力を思い知らされました。
それは、風刺や政治批判の要素も垣間見えるが、同時に政治への期待をも込められているという事です。一体、この作品は今の政治に対してどんなスタンスをとっているのか。批判をしているのか、それとも応援しているのか、断定ができないのです…! この作品をどう捉えるかは観客に委ねられているとしか思えません。
政治を題材にしておきながら、どちらにも捉えることができる。そして何よりも観客を楽しませることは忘れない。改めてこの三谷幸喜という男を恐ろしいと感じました。
三谷幸喜監督はこの作品を安倍総理にみせたらしいです。彼は首相に対してどんな思いを抱いていたのでしょうか…
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