「主人公に拍手したい」記憶にございません! natsumiさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公に拍手したい
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まず、面白かったです!
ラストで主人公は実は記憶が戻っていたけど、記憶をなくしたフリをしていた、という種明かしは、この作品の重要なポイントだと感じました。
物語中盤あたりで主人公は妻と子に「僕は生まれ変わったんだ」と連呼していましたが、種明かしがわかると、その言葉に一層重みを感じます。
少なくともあの時点ではまだ記憶は戻ってはなかったかもしれないけど、主人公は支持率最低で、国民、ひいては側近からも嫌われる自分を心のどこかで、ずっと変えたいと思っていたのかな…と。
石を投げられる前から、「生まれ変わりたい」という気持ちを無意識に抱いていたのでは、ずっとチャンスを窺っていたのな〜と思うと、笑えるだけじゃない、お話の面白みを感じます。
主人公が記憶が戻った時に「元の悪い総理にも戻れたけれど…」と話していたのも印象的でした。
最後の山場である妻への愛を中継で伝える、というのはコメディ的にも面白いけれど、記憶をなくす前にも抱いていたであろう、本当は妻を愛している、タイプだ、よりを戻したい、という気持ちを素直に妻本人に伝えられた主人公に感動です。
主人公がしっかりチャンスを掴み、しがらみから解き放たれ、自分の感情に素直になり、自分の価値基準を持ち、悪いことは悪い、自分はこうするんだと周りに助けられつつ、一つ一つ決断していく姿が素晴らしいと思いました。
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