劇場公開日 2019年9月13日

  • 予告編を見る

「こんなに笑ったの久しぶり!」記憶にございません! 過頭原屋敷さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5こんなに笑ったの久しぶり!

2019年9月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

心の奥底から笑った。エンタメとはこういうものなのだろう。これはBlu-ray出たら買うしかないってくらいにこの映画が好きになった。

このところ、考えさせられる作品ばかり目を通していたが、久しぶりに頭の中がスッカラカンになるくらい爽快な気分にさせてもらえた。激しく感謝したい。

ただ一点引っかかるとしたら、俳優のチョイスだろう。

佐藤浩市さんは空母いぶきの件であまり好きでなくなった。彼の演技は素晴らしいものがあるが、別に彼でなくてもよかったはずだ。
できることなら彼を外してほしかった。

彼は自らが映画の興行収入に与える影響を省みず、無自覚な発言をして、空母いぶきの公開前に大炎上した。そのせいで映画公開に向けた大切な舞台講演もことごとくブッチするなど、謝罪も説明責任も果たさずにトンズラし、関係者に多大な迷惑をかけた。その点では、はっきり言って最低の役者である。どんなに素晴らしい演技力をもって映画に寄与しようとも信用の回復には値しない。

彼の好かない点は、空母いぶきの騒動を通してほかにも沸き続けた。ボロの出やすい人間なのだろう。あの時期は本当に丸山議員でもみるかのごとく不愉快だった。自らの炎上に対する注目がそれたと吉本芸人のスキャンダルに感謝したり、ついには事務所の権力を使って強引に炎上の火消しをしたのだ。次の映画・・・まさに今作のために、マスコミに箝口令を敷いたといってもいい。

彼の役者魂や主義思想にとやかく言うつもりはないが、反権力を演じる自分が権力をふるって今の立場を無理矢理回復させたことに、嫌悪感をいだかないのだろうか。

私が彼の立場ならば、あの事件をもみ消さずに説明責任を果たして、信用を回復してから映画界に復帰するだろう。彼はその行程を権力ですっ飛ばして復帰した。
文句を言わせないだけの力が事務所にあるのだ。この点は、はっきり言ってこの映画にふさわしくない。

たった半年もしないうちに、よくまぁノコノコと再起したものである。

彼の快活な演技も、この点をふと思い返してしまい、いい気持ちはしないので減点した。

せっかくの素晴らしい映画にケチを付けられてしまった気分であり、少し残念である。

過頭原屋敷