劇場公開日 2019年9月13日

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「老若男女楽しめる三谷喜劇」記憶にございません! 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5老若男女楽しめる三谷喜劇

2019年9月17日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

この作品は日曜や祝日の日中はお勧めできない
大盛況で人がやたら多く窮屈だ
他人の足を踏んでも平気な人ならいいが僕は嫌だ

幅広い人に楽しんでもらえる反面薄味
脚本もたいしたことがない
毒にも薬にもならない
政治を扱ったコメディー映画といえばジェームス三木監督の『善人の条件』
政治ジャンルの邦画では最高傑作だと個人的には思うがそれと比較するとかなり物足りない
周りの中高年の皆さんは終始笑っていたから世間一般的には面白いと思う
1000円から1300円なら損した気分にはならないはず
三谷監督は世田谷出身のお坊ちゃんだから笑いのセンスも上品なのかもしれない
木梨憲武は下品だけど
個人的には最近観た『かぐや様は告らせたい』の方が笑える
笑いのツボは人それぞれだから議論するだけ無駄

美男美女が多いが平均年齢が高い
若いのは主人公の息子役の濱田くんくらいか

SPに憧れる警察官役の田中圭
北海道の稚内に飛ばされるが警視庁なら北海道に飛ばされることはないはずだが
道警から出張して交番勤務していたのかな

なぜか1人だけクールビズの財務大臣役小林隆がいい味を出している

ずんの飯尾が外務大臣役として出演
『引っ越し大名』にも出ていたがここでも彼の面白さが生かされていない
耳がでかいのは飯尾のセンスではなく三谷監督のアイディアだろう
ギャグの一つでもやらせてあげてもいいのに
昔の忍者映画でルーキー新一が「いやーんいやーん」とやっていたしそのくらいの温情があっても
そうじゃないならお笑い芸人を起用する意味がない
それをいうなら戦メリでたけしがコマネチやっていたかと言われたら反論できないが

石田ゆり子演じる総理大臣夫人の代役で踊る羽目になった秘書役の小池栄子
ダンスが上手い人が芝居で上手に下手に踊るというのはなかなか難しいらしい
その昔日本舞踊の先生でもあった東千代之介が踊りが下手くそな侍を演じて苦労したらしいが彼女も大変だったはずだ
グラビアの仕事を卒業して女優になりたがる人はたくさんいるが誰もが小池栄子のようになれるわけではない

お手伝いさん役の斉藤由貴が可愛い
特にパジャマ姿が
年上で可愛いと感じるのは彼女くらいだ
不倫騒動でも仕事が減らないのは現場から愛されている証拠
誰にも優しく接するんだろう

天海祐希が出ていたらしいが中井貴一扮する黒田総理を手伝うキャディの役で出ていたみたいだ
キャディといえばフリーライター役の佐藤浩市もキャディに扮していたが化粧までする必要はない

主人公の先生役を演じた山口崇が顔中シミだらけでタイムショック
もう80すぎなんですね
それを思えば若い若い

あと個人的に上手いと思ったのは通訳役の宮澤エマ
たしかにこういう人はいるしリアルである
本人かと思ったが違うようである

終盤はオチが弱くなんか尻窄みになってしまった感がある
それが残念
だが新聞記者よりはかなりマシである
ニュースペーパーみたいに政治家をおちょくって民衆を笑わせてくれないと
でっち上げで恐怖を煽っても意味がない
映画で政治を扱うなら最低でもこうでなくちゃ

野川新栄