ラストレターのレビュー・感想・評価
全75件中、1~20件目を表示
これはサイコサスペンスだ
乙女チックなファンタジーにああだこうだ言っても詮無きことです。
ですから無理くり設定は目をつぶりましょう。
同窓会での松たか子の異常行動、いわれなき夫の暴力で携帯壊されても平然として日常を続ける松たか子。
妻への嫌がらせのために大型成犬を2匹(あの大きさなら2頭だね)も突然買ってくる狂気の庵野秀明。
世話は当然松たか子と言い放つ庵野秀明。松も働いてるよね。平然として受け入れる松。
出だしからそこはかとなく流れるサイコ臭。
妹が姉になって、娘が母になって三つ巴の文通、どうなるかと思いきや、そこは投げっぱなしだ。
そこ興味あったのになぁ。筆跡が違う同一人物との文通。
福山の反応も描かれず、無かったような扱いされてガッカリ。
他いろいろ目をつぶります。
でも福山雅治の異常設定は、考えると相当ヤバイです。
以下、邦画はほとんど見ず、ディストピア・暴力映画ばかり見ている私の感想です。
神木君の変化に乏しい能面顔、返事もないのに大量のラブレターを送り続ける。
しかも毎日学校で会えるのに、電話というものもあるのに、本人に言わず。
他人には絶対読まれたくないはずのラブレターを他人の妹に渡し続ける。
怖いですね。恐怖のストーカー気質が見てとれます。
「手紙」を映画の軸にしたいためとは思いますが、異常人物の誕生です。
大学で付き合っていたというのですが、そこはほぼ描かれません。
妹と知ってて声をかけて、「ずっと好きでした」って怖すぎます。
ここがこの映画のキモです。
未咲と間違えてなら兎も角、わかっていながらの言い寄りと怖いメール。
監督としては観客をミスリードしたかったのでしょうけど。
妹ともあわよくばとの気持ち悪い人物設定です。
バスを待つベンチでの松の怯えた顔と雅治のブキミ悪い演技がサスペンスを暗示します。
途中で住所がわかるなり押し掛ける福山雅治。怖いです。
行く前に普通の人間だったら手紙で知らせるよね。異常な自分勝手さが垣間見れる事象です。
そんなこんなで、怖いサスペンスは続きますが、唐突に出る豊悦の悪魔のような人物。
裏読みしましょう。
未咲は付き合っていた福山の異常性を目の当たりにし、怖くて豊悦と駆け落ち。
しかし未咲のお腹にはすでに福山の子が・・・。
美咲は黙して語らず、豊悦は托卵をうすうす感じ、それが引き金となり生来の凶暴性が目覚め悪魔化。
ですから彼の暴力は託された卵から生まれた鮎美にも及びます。
全てを知っている美咲は現実を受け入れられず自ら死を選びます。
悲しいお話です。
それなのに吞気にストーキング小説を書いたり、尚且つそれをストーキング被害者本人に送りつけたり、
妹である松にちょっかいを出したり、知らぬこととはいえ実の娘にサイン本を渡したり、
吞気に思い出写真集を松に渡したり、、、、
そして写真に写っているのは、サスペンスの発端となった高校と生き残った実の娘。(いとこと共にちょっとだけシャイニングの双子風)
なんかすごく肌寒いコワさです。
連続殺人こそ起きませんが、横溝正史の世界です。
福山の手紙が実家に届いたときの颯香のセリフ
「おばさんが死んだの自分のせいだって言ってるよ。・・・えっ犯人ていうこと?」
そうです。福山が犯人です。
綺麗綺麗な映像と綺麗綺麗な役者たちの裏で流れるノイズのような不整合性。
ストーキング小説以降、小説が書けない小説家。
サイコです。
あ~コワかった。
それにしても滅多に邦画を見ないワタクシ。
珍しく2本続けて見た邦画の両方に神木君が出てるとは!
ちなみにもう一本は「ゴジラ-1.0」です。
最後に流れる曲、子供に歌わすには難しすぎない?こんなところにもサイコ風味が。
ダメ男臭プンプンの乙坂は良い。が
岩井俊二作品にはリアリティがない。映っている風景は現代の物だが内容はあり得なさすぎるファンタジーだ。そこに入り込んで楽しめるか否かにかかっている。私は無理だった。
リップヴァンウィンクルのように詐欺師のような男が出てきて主人公が極端なキャラクターで結末がどこに行くのかわからない振り切った設定であればそれでも入っていけるが、今回のような手紙を介した恋愛ものは気になることがたくさんあって入り込めなかった。姉(母親)が自殺したのに全員そんなに悲しむでもなくさっぱりしている。酷い状況であったということだがそれでも近しい血縁者が自ら命を絶ったのにみんな明るいのだなあと思った。乙坂も、昔あんなに好きでずっと小説に書きたくて想い続けてきた女性が自死したと聞いたらもっとうろたえるものではないのか。描きたいものを描くためにキャラクターの他の感情を犠牲にしているように見えてしまった。
乙坂と姉の恋愛もよくわからなかった。全てを描く必要はないが、そんなに好きだったのにどうして別れたんだというところが気になった。姉は情緒不安定だったのか、乙坂もダメ男臭がプンプンなので説明を聞いているだけでもまあダメになるのだろうなとは思うが(そこが良いのだが)、恋愛ものとしてはそこのところが見たいのになあ。
全てを美しく飾ったあっさりとしてつかみどころのない詩集のような作品でした。
ノスタルジック過ぎて合わない、自分的見どころは「天気の子」森七菜の瑞々しい・あやうい美しさだけかも
岩井俊二 監督による2020年製作(121分)の日本映画、配給:東宝。
高校時代の初恋相手を題材に小説を書き、今も続編を書こうとして書けていない男(柿木隆之介〜福山雅治)の物語。
その相手が未咲(広瀬すず)で、2人は大学時代付き合ったこともあった様だが、彼女は得体の知れない男(豊川悦司)と結婚し子供ももうけたが、夫の暴力に苦しんで自殺してしまう。彼女の娘(広瀬すず)により、彼女が自分に送った手紙(小説の書けたところを時々に送る)を宝物の様に扱っていたことを知り、再度創作意欲をもらう。ということで、加えて未咲の妹と娘の物語も在るが、骨格とする部分は岩井監督の私小説の様にも思える映画。
何て,ノスタルジックな映画なんだ。こんな自分好みの映画を有名俳優用いて作れるとは羨ましい限りとは思ったが、個人的にはストレート過ぎる脚本で好みではなかった。未咲の妹の祐里(森七菜〜松たか子)にも高校生時代からずっと変わらず慕われているという。事実かも知れないが、モテすぎて自分的にはつまらないし、娘の鮎美(コレも広瀬すず)も好意を持って接してくるのもいただけない。お前のせいで母は自殺したとの糾弾があってもおかしくないのに。
とは言え、新海誠監督「天気の子」ヒロインだった森七菜(2001年生まれ)のみずみずしさには感心させられた。主題歌まで歌ってて、その声も含めて、その時にしかないあやうい美しさを見事に監督が切り取った様に思えた。また庵野秀明のキャラクターも上手く活用していたし、昔ファンだった水越けいこ起用も嬉しかった。
監督岩井俊二、原作岩井俊二、脚本岩井俊二、製作市川南、共同製作岩井俊二、 千葉伸大、 杉田成道、 村松俊亮、 宮崎伸夫 、広田勝己、 森田圭、 舛田淳 、長谷川晋一、 永田勝美、 吉川英作、 林誠 、石垣裕之 、田中祐介、エグゼクティブプロデューサー山内章弘、企画
川村元気、プロデュース川村元気、プロデューサー水野昌、 臼井真之介、撮影監督神戸千木、美術都築雄二、 倉本愛子、スタイリスト申谷弘美、編集岩井俊二、音楽小林武史、主題歌
森七菜、主題歌(作詞)岩井俊二、主題歌(作曲)小林武史、キャスティング田端利江、プロダクション統括佐藤毅。
出演
松たか子岸辺野裕里、広瀬すず遠野鮎美/遠野未咲(高校生時代)、庵野秀明岸辺野宗二郎、森七菜岸辺野颯香/遠野裕里(高校生時代)、小室等波戸場正三、水越けいこ岸辺野昭子、木内みどり遠野純子、鈴木慶一遠野幸吉、豊川悦司阿藤陽市、中山美穂サカエ、降谷凪岸辺野瑛斗、矢部太郎郵便局員、神木隆之介乙坂鏡史郎(高校生時代)、福山雅治乙坂鏡史郎。
2時間映画で表現する事ではない
昼ドラか月間リボンでやった方がいい。
別に馬鹿にはしていないが、2時間集中して期待して見るものではない。
毎週なんらかの盛り上がりがあって、視聴者を脱落させずにダラダラと豪華なキャストでやる感じならドラマの方が合ってる。
昼ごはんを食べながら、おやつを食べなら何の気なしに見るストーリーではないか?
自殺した姉の同窓会に着飾って行って、調子に乗せられなりすまして挨拶する女って、現実にいるかもしれないが嫌な女で変わり者だろうね。
不貞の罰として超大型犬2匹を充てがわれる嫌な女の主人公。
30年前の時代設定なら昭和は滅茶苦茶だったなぁ〜で済むが、令和にコレは酷いでしょ。。
死んだ姉になりすまし、好きだった先輩に手紙を書き続ける嫌な女主人公。。美談にもならないでしょ!笑
トヨエツとミポリンの下はもうちょい時間が掛けられれば面白くなりそうだけど、時間の関係かすぐいなくなった。
マーケティングと制作側のミスマッチなのか、誰に向けた映画なのか?
「広瀬すずとジャニーズのダブル主演!!」
くらいがちょうどいいマーケティングだったのでは?
映像は流石に綺麗だったので★+1です。
男のファンタジーだな
レンタルを4回に分けて
この監督の作品は実は初めて
宮城県生まれだったんだなと再認識
花は咲くの歌詞はこの人作だったっけ
ちょっと設定に無理があるような
ミポリンの役柄設定よくわからんしトヨエツはまだそこに…
ま 男のファンタジーだな
白石あたりの景色はうれしい
仲多賀井高校って
脱落
庵野さんって何なの?
著名だしデキる監督かもしれないけど、演技は下手じゃない?なんでこの作品に出てくるの??
福山雅治ファンなので福山きっかけで観はじめたけど、最近の作品の福山苦手だわ…とつくづく思った。
それでも最後まで観ようと思った矢先に、大型犬2匹、しかも罰として飼い始めるくだりがフィクションと分かっていても無理で脱落。
学生時代の思い出って良いなあ
面白かった。
すずちゃんも七菜ちゃんも可愛かった。2人の演技が光ってるからこその映画だと思った。
なんか、みさきがトヨエツ演じる阿藤とくっついたのは、若い頃ってちょっと悪ぶってる人がカッコよくみえたりするから、そーゆう事なのかなって思った。この辺りの描写があまりないから、想像だけど。
あと、漫画家の旦那が急に大きい犬を2匹も買ってきたら、私だったらブチ切れるなあって思った。ちょっとヤバいやつな感じが庵野監督にピッタリだった(良い意味で)。
そんなちっちゃな本に収まるもんじゃねぇんだよ
映画「ラストレター」(岩井俊二監督)から。
普段、頻繁にメールをしているにもかかわらず、
レター関連の作品は好きで、溢れるくらいのメモが残った。
「誰かがその人のことを想い続けたら、
死んだ人も生きてることになるんじゃないでしょうか」
「うん、そうかもしれないね」・・と会話をメモした時、
あれっ?、先日観た映画と同じ発想?と、やや残念さが残った。
(「記憶屋 あなたを忘れない」(平川雄一朗監督))
若い頃、交際をして好きだった人をモデルにして、
さらには小説のタイトルまでつけた小説「未咲」は、
それなりに話題になり、売れたようだ。
しかし、その呪縛から逃れられずいた小説家に向かって、
前夫を演じた、役所広司さんが、こう言い放つ。
「(あいつが死んだのは)俺のせいだ。だがお前のせいじゃねぇ。
お前はな、あいつの人生に何ら影響を与えてねぇんだよ。
あの小説は俺とあいつからのプレゼントだ。
お前の人生に贈ってやった、偉大なる贈り物なのさ、違うか?
人の人生なんてな。
そんなちっちゃな本に収まるもんじゃねぇんだよ」と。
自叙伝、自分史など巷ではブームだけど、
この台詞、けっこう心に響いたなぁ。
美咲の死後、美咲を中心に語られる人々の想いの交錯模様が美しい。
美しい、無駄がない。
小説も出たばかりの頃に読んだけど、やっぱり映像で見たい作品です。
シーン、セリフ、劇伴、芝居、どれも無駄がなくて美しい。
以下、好きなシーン。
届いた手紙を興味無さそうに受け取る義理母。姿が見えなくなるとすぐに封を切る。
バス停で姉・美咲(広瀬すず)のことを話す裕里(松たか子)と乙坂(福山雅治)のふたり、何気ないやり取りが、美咲への想いが、広がる、2人の、世界に。
高校時代の裕里(森七菜)と乙坂(神木隆之介)、川にて。
裕里が乙坂に、姉へのラブレターの書き方の指南をしているシーン。「これだけあなたがすきですよ、ってこと」を書けばいいんじゃないですか、と言う裕里だが、乙坂のことが好きなのがじんわりと伝わってくる。苦しく切ない。
高校の卒業式間近、卒業生の言葉の作文の添削を乙坂にお願いする美咲。階段で話すふたりが、初々しくていい。階段の窓からさす陽の光もとても綺麗。
裕里が働く図書館に別れを告げに来た乙坂のシーン。
「大変だと思うけど、頑張ってください。信じるものを追いかけてください。あなたは私のヒーローだから」
裕里の乙坂に対する、おそらく初恋から続くであろう気持ちがしっかりとあるんだろうなと感じられて、本当にいいセリフと芝居。
自分の中だけで作り上げられていくストーリー
まさに岩井俊二監督という作品。
出てくる出演者全てが、自分の中で勝手に過去を美化し、今、目の前にある現実に向き合おうとしていない。
唯一、トヨエツ演じる阿藤だけが、貪欲に現実を生きているように思う。。
映画の中では描かれていないが、これは私の勝手な憶測。
大学時代に付き合った乙坂(福山)と未咲は、実際に付き合ってみて、些細なことですれ違う。そこに阿藤が現れ、未咲を乙坂から奪う。阿藤にしてみれば、明らかに自分と比べて全てを持っていて、清らかさと正義の塊のような未咲を手にすることで、何か世の中に復讐したような気持ちになれた。未咲にしてみれば、この人は、自分にしか救うことができないんじゃないかと思い、阿藤に飲み込まれていく気持ちを愛だと思ってしまう。
乙坂は、美咲が本当に自分から去ってしまう(実際は、未咲が阿藤に言った時点で振られているのだが)ことが怖くて、必死で美咲を追いかけない。ただグジグジと思っているだけで、いつか自分の書いた小説を読んで、美咲が自分のもとに戻ってくれるんじゃないかと、ひたすら25年待ち続ける。
これって、もし、阿藤が現れず、乙坂と美咲が付き合って結婚して、それでうまく言っていたのだろうか?
妹の裕里(松たか子)は、「あなたが姉と結婚していたら、姉は幸せになっていたのかも」的なことを言っていたが、本当にそうなっていたのかな。
それぞれが、自分にとって向き合いたくない現実を封印して、自分の中で都合よくストーリーを展開させただけなんじゃないかと。
その自己愛の塊は、結局は自分を苦しめ、家族を巻き込んでいったんじゃないかと思う。
別件として、最近の福山さんの出演作、マチネの終わりにとこのラストレターをみたが、演技の幅を感じられなくて残念。そして父になるの時は、すごくいい演技だったのに。この先、キムタク又は、織田裕二化しないことを祈るばかりです。
みんな演技がいい
何も考えずに観たらストーリーも映像も繊細でとても感動できる。特に俳優陣はみんなよかった。福山さんは本当に枯れていた。(褒めてます)広瀬さんと森さんと神木さんも役に合っていた。
ただ、携帯、犬、同窓会での挨拶とか全ての物と行動がこのタイトルとストーリーを成り立たせるために見えてしまって、普通そんなことしないのでは?とは思ってしまった。
と言いつつ、観て良かったです。
Wレター
裕里(松たか子)・未咲の娘・鮎美(広瀬すず)の両方から鏡史郎(福山雅治)にレターが届くこと、鏡史郎がそれらに返信し続けていることは不自然だろう。未咲の死の直後の同窓会通知となりすましスピーチ・それを裕里とわかっていて追いかけたバス停で指摘しない鏡史郎に疑問あり。裕里には例えば未咲への嫉妬心を背景にした鏡史郎へのストーキングなどダークサイドを強調した別の役回りがあると良かったようにも思う。松たか子なら上手く演じられる。
生きているのが苦しくなったとき~この場所を思い出すのでしょう。
手紙がつなぐ人生の
きらめきと儚さを
体験する話でした。
光が織り成す美しいシーンと
ノスタルジックな世界観の
ストーリーで
直ぐに作品に吸い込まれました。
中年になっても
あの頃に繋がろうとする
鏡史朗の思いが、
少しあぶなくみえたり、
純粋に見えたりですが
遠い過去の人に
とらわれてしまったり、
何気ない誰かの言葉が
その人の
人生を決めることは
本当にあることです。
鏡史朗が小説家になったように。
だけど
幸せに暮らせず
深みにはまった話には
他人事には
思えませんでした。
そう、これも本当にあるし。
この作品が凄いと
思ったのは、
時間軸のつなぎの妙で
無限の可能性を感じたあの頃を
切り取り
わずか数時間に
表現してしまう凄さかな。
もし、
ああしていたら
という思いを
観る人を誘うようです。
誰もがもつ
大切な時間の引き出しを
開いてくれます。
おすすめ。
ノスタルジック
全体的に何処か昔懐かしい感じがする映画。
今はあまりされてはいない手紙のやり取りで、そんなに多くは語ることはないが、鏡史郎と美咲の関係と裕理の切ない恋が懐かしく、そして悲しく描かれた作品であった。
運命の出会いであったかもしれない二人に何があったのか?そこも多くは語られない所が見ている側に様々な想像をさせる。
なんとも言えない気持ちにさせる内容でした。
見終わって、思った事は映像から感じる安心感と様々な想像を掻き立てる悲しみを合わせ持った映画という印象。
主人公の何処か日常の自分に本当は満足していなくて、少し現実から離れる事が出来る手紙のやり取りの中から様々な感情を想像させる。
松たか子の演技力は見事でした。
福山雅治、神木隆之介に関しては非常似ているって印象を受けるほど、お互いの役にリンクし合っている所も一つの見所であると思う。
また若い二人の女優広瀬すずと森七菜は共に一人二役の難しい役をこなしていた。
広瀬すずは最早一流と言われる女優、凛として堂々とした役と何処か物悲しく、幼さの残る役回りを見事に演じ分けていたのは流石。
森七菜の自然な振る舞いで自由奔放に演じている様に見える演技は大器の片鱗を覗かせる。
この二人を非常に美しく撮っている岩井俊二監督は先見の明ありだと思う。
また豊川悦司や中山美穂を出演させるあたりもさすが岩井監督。
様々な思いを感じる事が出来、岩井俊二監督ファンならずとも懐かしさを感じ、見る側が想像を掻き立てる素晴らしい映画。
今この時代だからこそ見ておきたい作品の一つと言っても過言では無い。
岩井俊二に慣れていないから…
予告編と違う印象を受ける。最近の映画ではよくあることだからしかたないけど。松たか子演じる大人になった妹の演技は意外とコメディテイスト。後半は福山雅治の切ない思いを前面に泣かせにくるという構成。
でも違和感を覚えるところがいくつかあって、気持ちが乗らないまま終わってしまった。送別会に姉として参加、妹と気づいていたくせにずっと恋してたってメッセージ送信、筆跡の違う2種類の手紙、姉の結婚相手・恋に落ちた経緯など。40歳を過ぎた姉の姿はなく、大学時代の写真で済ますあたり、切ない初恋の思い出がかすんでしまうからなのか?岩井さんって若い女の子が好きなんだなーとは思った。
映像がキレイだったし、演じている俳優さんたちもよかったのでなんとなくいい映画だったなとごまかされてしまった感じがする。それって悪いことではないんだけど戸惑った。ラストレターって結局どれのこと?とか無粋なこと思ってしまう。あー、やっぱり岩井俊二に慣れてない!
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