ラストレターのレビュー・感想・評価
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淡い恋の話、明日はもっとじわじわ来る
とても淡い恋の話で、音楽や演出も少なく、淡々と進みます。これだけ豪華で経験豊富な俳優陣が、こんなに自然、、、というか、たどたどしい演技があるのかと。セリフなのか?アドリブなの?と思ってしまうほど、自然な空気感。ドキュメンタリーのよう。
ストーリーも、ある意味ありがちかも知れないけど、現在と過去と2重のストーリーがとても上手く絡まる。
広瀬すずと森七菜の透き通るような純真無垢なイメージがとてもよかった。二人の女優があってこその映画。演技が上手いとか下手とかではなく、本当に自然。
岩井俊二監督っぽい、透明感のある爽やかな映像と、女子が好きそうなストーリーです。
セリフにない行間、台本にない空気感見ないなものがとても好き。
前作のリップバンウィンクルのように、後からじわじわ来ると思います。明日思い出して、良い映画だったと噛みしめるのだろうと思います。
美しく汚れのない物語
あらゆる事柄や設定が複雑に絡み合うような仕組みが面白い。その仕組みが先行するあまり、不自然な部分がかなりあったような気がしたけれど、巧みで華麗な演出にそれら不自然さはかき消されて、相当楽しめた。
クスッと笑えるところが満載で、泣き所も多かったけれど、それ以上に笑いの方が多かったような気がする。
悲惨な事情も絡めた物語だったけれど、どう見ても架空の美しい虚構にしか思えなかったので、感情をえぐられるような感覚は得られず。
著名な人がたくさん出てくる楽しさもある反面、内容への没入感は削がれてしまうように感じた。
後半の展開や演出などすべてがわざとらしく思えてしまったので、泣き所を失ったような思いのまま、美しく終幕。
松たか子、最高に面白いね。広瀬すず、かわいい。森七菜、超ナチュラル。福山雅治、あまりに格好良すぎる。
そんな感じです。
拝啓、乙坂鏡史郎様 素晴らしい新作が書けそうですね✨
未咲が残したもの
岩井俊二監督の「Loveletter」が帰ってきた。一見ロマンチックな作風ながらもそれを凌駕する現実。
そうした二面性を初恋という題材を軸に時を超え巡り巡くって映し出す。
自らを偽り未咲として文通のやりとりを繰り返す裕里が次第に過去を思い起こす。鏡史郎もまた、初恋の相手である未咲に何十年経っても思いを寄せ、手紙を書き続ける。お互いが過去にやり残したことを埋め合わせるように、二人は幻想と現実を兼ね備えた未咲という存在を通して自身を振り返る。
初恋の呪縛に囚われた二人の男女が想う心情を汲み取れば感傷的にならざるを得ない、甘酸っぱくもビターな作品。
呪縛からの解放を望むのではなく、そこにむしろ浸ることの美しさのようなものを感じた。
居酒屋のシーンでは、売れない小説家として低迷する鏡史郎と、後ろで流れるプロ野球選手のヒーローインタビュー。光と影の対比。こうした細かい部分での演出も粋である。
大人が邪念のない純朴な気持ちで青春に取り残される話は大好きです、
手紙でつなぐ、想いの架け橋。
ノスタルジック・ラブストーリー
エンドロールが終わった後、暫く、余韻に浸っていたい思えた、素敵な作品でした。岩井監督のロマンチックなマジックに魅了されました。
最初の同窓会の場面、そんな間違いはしないだろう…という突っ込みどころはありましたが、終始、ノスタルジックな切ないラブストーリーが、忘れかけていた、自分の青春時代を思い起こしてくれました。
高校時代、好きだった彼女。40歳を過ぎたころ、その彼女が病魔に侵され、亡くなったという悲しい知らせが届きました。その時、甘酸っぱい高校時代の思い出が、走馬灯のように蘇ったことを、今でも覚えています。
本作を観ながら、改めてその思い出がオーバーラップし、乙坂が、未咲の遺影の前で、鮎美と語る場面は、涙と鼻水でスクリーンも滲んで見えました。
福山さんも、いつものクールで2枚目な役柄から、ちょっとくたびれた、冴えない中年役で、親近感が湧きました。新境地への挑戦ですね。
すずちゃんは、益々素敵な女優さんになってきたし、神木君、七菜ちゃん、松さん、豊悦さん、ミポリン、みんなホントに適役。但し、庵野さんだけは違和感あったかな(笑)
水越ケイコさんや小室等さんなんかは、我々の世代からすれば、懐かしかった。それに、先日、亡くなった木内みどりさんも出演されていましたね。ご冥福をお祈りしいたします。
あのセピア色の青春時代を、思い起こしてくれる、心に滲み入る作品でした、大切な方と一緒に観てください。
呪い
岩井ワールド作品
時を超えて
森七菜いいね。
可愛すぎるユウリを見て欲しい
静かに静かに
メールでは実現できない描写(届くまでの時間や手元に渡る不確実性など)、便利になりすぎている現代において極めて新鮮で有り、昔を知る者にとっては懐かしい思いが蘇ってくる。
そんな手紙を題材に、とても静かでゆっくりと流れるストーリーと映像描写は岩井監督が最も得意とするパターン。これが実に心地良い。
個々の出演者の演技もとても巧く、味わいあって心にスッと入ってくる。このスピード感が「手紙」と相まって堪らない。庵野の演技力は違和感あるが・・・。
岩井作品では「Love Letter」が好きなので、そのイメージを持って涙を流すつもりで鑑賞してしまったため、思っていたのと少し違いがあった。変に気負わずに見れば良かった。
複数の時間軸上の恋愛物語はこれまでにもあって特段目新しいものではない。
手紙を書きたくなります
手紙っていいね
素敵な映画だ。圧倒的に練り込んで設計された建築物を見ている気がした。岩井ワールドと言ってしまえばそのままなのだが、爽やかさの中にどこか湿度の感じられる映像が、なぜここまで綺麗に撮れるのだろうと思う。この美しい物語が、2時間ですっかり脳に浸透して、「拝啓 乙坂鏡史郎様…」予告編に出てくる広瀬すずのこのセリフを思い出すだけで、条件反射に涙が出そうになる。
配役も絶妙。広瀬すずと森七菜が、姉妹といとこの二役でこれがストーリーに強烈に効いている。広瀬の圧倒的な演技力は言うまでもないが、森のみずみずしい雰囲気は「打ち上げ花火…」の奥菜恵を思い出した。松たか子も好奇心旺盛な妹がそのまま育った感じがして、役どころを抑えていた。神木隆之介が成長したという設定の福山雅治の男っぽくない役柄も、イケメンを抑え込んで板に付いてた。豊川悦司と中山美穂が、2人で出てるだけでニヤけてしまうとが、これはファンサービスですかね。
さらに、音楽もまた作品のピースとして重要。旋律がじわりとくる。とにかく清涼感たっぷり。誰かに手紙を描いてみたくなる素敵な作品です。
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