「手紙は、SNSでは伝えられないものがある。ありがとうの一言でさえも...」ラストレター Jun Tanakaさんの映画レビュー(感想・評価)
手紙は、SNSでは伝えられないものがある。ありがとうの一言でさえも...
手紙は、SNSでは伝えられないものがある。ありがとうの一言でさえも、自筆でしたためられると、その重みが違う。岩井俊二は「リップヴァンウィンクルの花嫁」も作ったが、危ういSNS社会の彼なりの回答が、この作品なのではないだろうか。
三角関係は、ややもすれば、ドロドロした雰囲気になりかねないが、実に爽やかに描かれる。そこには手紙の持つ純真性のようなものを感じさせる。
若い頃の方が、愛という意識が強かった気がする。人生も半ばを過ぎると、愛しているから二人でいるのか、惰性なのか、すでに分からない。そんな「愛」という曖昧な存在を、もう一度見つめ直してみようというのが、岩井俊二の目論見ではないだろうか。
コメントする