「ノスタルジックな雰囲気に浸れる作品です。」ラストレター もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
ノスタルジックな雰囲気に浸れる作品です。
岩井俊二監督作品で、宮城県が舞台ということで鑑賞。
あと「最初の晩餐」で好演していた森七菜さんも気になりました。
手紙のやりとりを中心とした、ノスタルジックな作品です。
落ち着いた色調の映像が綺麗で印象的。
豪華な俳優がいっぱいで、見応えはありました。
基本的には満足です。
けれど
姉のふりをして乙坂(福山雅治)と文通する妹(松たか子)
母のふりをして乙坂(福山雅治)と文通する娘(広瀬すず)
姉のふりをして乙坂(神木隆之介)の手紙に返事を書く妹(森七菜)
このあたりが、私は最後まで気になってしまいました。
これを気にしなければ、
最後まで十分楽しめる作品なのかなと思います。
そして最後まで、広瀬すず(母)の
・自殺の理由
・卒業スピーチの原稿を、娘に託した理由
分からないままでした。
もやもやした感じがまだ続いています。
☆心に残ったセリフ
「誰かが思ってくれる限り、その人は生き続ける」 ←うろ覚え…(汗)
その通りだなー、と。
誰かの心に生き続けられるのって、いいですよね。
☆あれこれ
神木隆之介くん
25年後に福山雅治になるようなのですが…
うーん。
顔も性格も、だいぶ違うようなのですが…
森七菜さん
今回は実年齢どおりの女子高校生でした。
※「最初の晩餐」では小学生役でランドセル背負ってました。
↑違和感を感じなかったのがすごいです
広瀬すずさん
40なかばで亡くなった設定で、遺影にも登場
若いころの写真しか無いので大学時代の写真という設定らしい
…うーん
そういう年上メイク、NGなのでしょうか。
木内みどりさん
「夕陽のあと」が遺作かと思っておりましたが、またお姿を拝見できました。
ご冥福をお祈りいたします。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
早速のお返事ありがとうございました。的確なコメント、感心させて頂いております。
岩井監督は観客、もっと突っ込むと”ファン”との共犯関係を結ぶのが巧い映像作家なんだと思います。そして、私は情けないことに、ファンでも無いですが、あの漠然とした世界観、俳優達の魅力を映像に落し込む魔力みたいなものの正体が分らぬ儘、この映像作家を否定することは、自らの”憧れ”そのものを否定する事に繋がると、最早強迫観念に近い思いを抱いてしまっていることが起因かと存じます。そこまで監督の作品を全て追ってる訳はないですけどね(苦笑
いぱねまさん
私の書き切れていなかったことを整理整頓して頂いたような、
そんな感じで拝見しました。ありがとうございます。
この監督さん
「描きたい場面」が先にいくつも頭にあって
「場面と場面の展開」については
力業でごりごりと繋いでくる
そんな感じの方なのかな、と勝手に想像しています。
撮った映像はすごく綺麗なので
ムリヤリな展開だとしても、それを気にさせないような
そんな魅力は感じます。
※「オレの歌を聞け~」 (マクロス)の映像バージョンみたいな感じ
他の作品はあまり見たことが無いので、的外れかもしれません。
観たことあるのは「打ち上げ花火-」くらいです。
疑問点、確かに理解出来ます^^
同時期に、同名で文脈や印象が違う手紙が来たら、一応小説家なのだから何か訝しがるのが自然かなぁと。そう思うとそこから話が展開していくのが構成かと思うのですが、あっさりそこは有耶無耶。大人になっても同じ事(手紙の代筆)を繰り返された事へのひとくさりも無いし、作品時間の兼ね合いで、そのあたりは観客が”忖度”すべき事なんでしょうね(苦笑
匂わせも無く、実は大学時代付合っていたという暴露も急だったし、色々と解釈や補完が必要で、そういう作品を受け止めるかどうかが自分自身のバロメーターが試されているという事かも知れません。
自殺の理由は、一応DVによる心の傷が元での精神疾患ということになっております。この辺りはナイーヴな話になるので、”推して知るべし”的投げ掛けなのでしょうね。
遺書の中身の高校卒業スピーチの文章の意味は、母親にとっての人生最良の時期は『この文章を乙坂と二人で推敲し、練習した時』ということを残したい願いという事かと推測しますが、それは乙坂と、俯瞰で観ている観客のみが知る秘密なので、託された娘は知る由もないですしね。まぁ、色々アラがあるのは否めませんが、岩井ワールドで鼻を擽られたということでw 多分、この監督以外が撮っていたら、ツッコミどころ満載ですし、そもそも説得力が低減しますしね。
SOR_zawaさん
コメントありがとうございます。
短いセリフだと家に帰ってからも思い出せるの
ですが、今回のセリフは長かったので…(汗)
書き込んでいただいたセリフを見て
「あぁそうそう」
と思い出しました。
今はもういない人のことを思う気持ち
大切にしたいです。
1年経とうが10年経とうが、思い出した瞬間
その人が心の中に蘇る。
そんな気がします。
私も心に残ったセリフ同じです!
見てすぐに本屋さんに行って確認しました。笑
「小説のことはよくわからないけど、お姉ちゃんのこと、ぜひ書き続けてください。お姉ちゃんのフリをして手紙を書いてたら、なんかお姉ちゃんの人生がまだ続いてるような気が、ちょっとしました。誰かがその人のことを思い続けたら、死んだ人も生きてることになるんじゃないでしょうか。」