「自由と自立への渇望をポップに描く」37セカンズ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
自由と自立への渇望をポップに描く
クリックして本文を読む
冒頭の入浴シーンから度肝を抜かれた。あの入りでただの説教臭い映画じゃないことがわかる。
主人公ユマの体の使い方、話し方、全てがリアル。そりゃそうだ。オーディションで選んだ脳性麻痺の障害者なんだから。
話の展開もすごい。マンガ家として利用されてたり、セックスするために女性用の風俗に行ってみたり。結構辛い目にあってた気がするがそんな悲壮感はない。母親の束縛から自由になろうとするユマの姿は本当にキラキラと輝いていた。
そして父親探しからの双子の姉との出会い。「私でよかった」というセリフの重さだ。障害者をピュアな人として描く物語は好きでないが、彼女の優しさに心を打たれた。
なんだろう、扱っているテーマは重いはずなのに、なぜかポップで明るい。前向きな未来を暗示しているいい話だった。とんでもない監督が現れたもんだ。
コメントする
tyzさんのコメント
2020年2月23日
同感です。
ポップで明るい。
前向きな未来。
大袈裟でわざとらしくガチな表現がはびこる今、この作品のテイストが受け入れられるのか。
こうやって共感できる人が増えていけば、何か変わるかもしれません。SNS嫌いでしたが、嬉しいです。