「親知らず」37セカンズ Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
親知らず
出生時に37秒間呼吸が出来なかったことによって脳性麻痺となった22歳の女性の自我と自立の話。
着る服も髪型も押しつけてきて、ハンバーグのカットにさえ手を出してしまう程の超過保護な母親と2人で暮らし、仕事は友人でもあるキラキラな漫画家のゴーストライターをしている主人公が、自分自身を出そうとする中で世間と自身を見つめていくストーリー。
大人しく声も小さく主張しない主人公が、さあ今日は、と決めた日に一人になった時の笑顔が可愛らしくてちょっとワクワク。
人としても介護士としても色々な意味でスーパーな2人に、あるべき姿の一つの形をみせられる。
公衆電話からの流れはかなりぶっ飛んでいるけれど、そんなのお構いなしに泣かされまくりw
一人だけちょっと搾取する人物がいたけれど、その人物も後ろめたさはある様子。それ以外の登場人物達は全て優しい人ばかり。
母親にしたって、ちょっと病的にも感じるところもあるけれど、リアルなところを考えたら、気持ちはわかるし頭ごなしに否定は出来ない。
みている側に自戒や自問を投げかけている様でもあるし、成長物語としても面白かったし、主人公の身体のことがなくてもドラマとして見応えがあった。
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