「やっとこんな映画に出会えた!」37セカンズ unicoさんの映画レビュー(感想・評価)
やっとこんな映画に出会えた!
日本の映画を観るたびに、「どうしてこんなに映像が暗いんだろう?」と不思議に思っていて、先週観た「前田建設~」もそれなりに面白かったけど、やっぱり暗いし、そして変におちゃらけて済ませるところも鼻につく。
という感じで日本映画に妙なストレスが溜まっていましたが、この作品は映像が明るくて、瑞々しい! そしてリアリティもシリアスな部分もありつつ、夢も希望もスケール感もあり、素直に気持ちよく、海外の作品と同じような感覚で観ていられる作品でした。
実際に観るまでは、障害者を題材にしているので、ドキュメンタリーのような、少し重たいイメージを想像していましたが、良い意味で予想を裏切られた”普通の映画”、しかもとびっきり素敵な映画でした。
ハリウッドでもヨーロッパでも、どこに出しても全く遜色のない、映像も脚本も役者も音楽も、とにかく素晴らしい、極上の作品に仕上がっていると思います。
佳山明さんもナチュラルな演技で良かったし、神野三鈴、渡辺真起子、板谷由夏といった周りを固める面々もお見事です。
介護の現場で働くものとして、お母さんの過酷さや心情にも凄く共感できますが、ユマのような、ハンディキャップがあったとしても、出来ることや、やりたいことにフォーカスして、希望や夢をもってポジティブに前に進んで行く姿勢やエネルギーがとても大切なことだと感じます。
日米合作ということですが、日本ではなかなかお目にかかることの出来ないこういう作品は、やはりアメリカで勉強しないと作れないのかなぁ。
NHKも関わっているようで、それなりの予算と良い環境や器材で制作することができたのかもしれません。
いずれにせよ今後のHIKARI監督の活躍が楽しみです。
それとやっぱり映画はシネマスコープじゃないとね。