「結局回帰するしかなかったのかも」ターミネーター ニュー・フェイト andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)
結局回帰するしかなかったのかも
デデンデンデデン!
数多の作品を生み出した「ターミネーター」シリーズの3以降をばっさりなかったことにして、ターミネーター登場35周年で製作されたのがこの「T2の正統続編」、「ターミネーター:ニュー・フェイト」でありますね。ジェームズ・キャメロンは余程「アバター」に忙しいらしく、製作に入りつつ監督はティム・ミラー。「アリータ」に続き「つくるけど演出は任せた!」型式です。
正直私、このシリーズT2で終わって良いと思っているんですよ。だってT2の終わり方良いじゃないですか。もうあれ以上作れなくない?結局それが3以降がうーむ...って要因だったと思うんですが。
今回の正統続編は、まあ散々言及されている通り「サラ・コナーの物語」としてはじまります。おいジョン・コナーどうすんだよ!エドワード・ファーロング出てくるって言ったじゃん!と思ってたらまさかの冒頭で...ですよ。まあそうだよね。こうするしかないよね。まあジョンが主役を張れない理由自体は数多考えられますが、その辺は置いといて。
物語自体は基本1をなぞるような展開です。しかし時代を意識したのか、護るのも護られるのも助けるのも皆女性で、それぞれの格好良さ。いやいやリンダ・ハミルトン強すぎだろ。グレースさんは強化型兵士だけどサラ・コナーさん人間でしかも還暦過ぎですよ。アクションに次ぐアクション!何やっても蘇るREV-9!分身するREV-9!絶対勝てない!けど機転で戦う!逃げる!事故処理大変だっただろうなあ...(蛇足ですね)。
我らがシュワちゃんことT-800は大分経たないと出てきません。T-800って老けるんだね。いや何より1, 2, ニュー・フェイトのT-800は全部違う個体なのが頭に入ってきづらい...。まあしかたありません。
基本、物語はあっと驚くような展開はないんですよ。ターミネーターはこういう構成だよね、こういう物語だよね、という枠をきちんと嵌め込んだつくりです。護り護られるものの関係と、ターミネーターとの避けられない闘い。それに伝説のサラ・コナーとT-800を加えたのがこの「ニュー・フェイト」です。
なので、これは「サラ・コナーの物語」だけじゃないんですよ。確かにサラ・コナーの物語でもありますが、基本護るグレースと護られるダニーの関係性の話です。でも「サラ・コナーの物語」にした方が往年のファンには受けるんじゃないか、という製作側の気持ちが見えなくもない。そして続編が作りたい気持ちも。
アクションはとVFX技術はこれぞという興奮です。REV-9とか何やっても無理だろ感が強くていいですね。にゅーって!ガブリエル・ルナさん正直スッゲー強い風に見えないから余計にね...。最後の勝ち方も予想どおりというか致し方なしというか。新味はないですよね。しかし、新味がないから「ターミネーター」なのかもしれないです。結局回帰するしかなかったんだなあ。
アーノルド・シュワルツネッガーさまはやっぱりあの喋り方がターミネーターに似合いますね。リンダ・ハミルトンは格好良すぎですね。しかし、続編があったとしてももうシュワちゃん出る余地ないと思うんだけど、どうなんでしょうか。