「神懸った作品の続編の呪縛からどう解き放つか?」ターミネーター ニュー・フェイト マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
神懸った作品の続編の呪縛からどう解き放つか?
今年の下半期の話題作の1つで長年ターミネーター・シリーズを観賞してきた者には外せない1本として観賞しました。
で、感想はと言うと、そんなに悪くない。
面白いかと言われると普通に面白いです。
オープニングの20世紀フォックスやパラマウントのオープニングがターミネーター風味な感じにテンションが上がり、骸骨の山を足蹴に水中から登場するターミネーターの軍団にドキドキ。
お馴染みの「ターミネーター:メインテーマ」にワクワクと盛り上がりの要素はあるし、悪くないんですが、どうも観る前からハードルを上げ過ぎてしまっていて、思った程ではないかなぁと言うのが、正直な感想w
あと、細かい所がなんかむず痒い感じがしなくもないなぁ~と言う所でしょうか。
ターミネーター1・2のオマージュ的なシーンも多々あって、2のその後を描いていて、正当な続編と言うのも頷けるけど、どうも正当な続編と言うのを意識し過ぎているかな?と思うフシが無くもない。
今までの3~5は公開される度に結構酷評されて来たけど、個人的にはどれもそんなに悪くはないし、単体として見るとどれもそこそこ面白い。
2の続編としてはそれなりに果たしていると思うんですよね。
ですが、ここまで続編がいろんな形で試行錯誤されて作られる作品も珍しい。
「ターミネーター2」と言う作品が神懸っていると言わんばかりの神作になってる所もあって、どれも偉大な前作を越えられないと言う感じで小物感が感じるが、じゃあ今作が文句無しの続編としての役目を果たしているかと言うと、そこまでは感じないけど、それぞれが別のその後の「if」にはなっていて、その中では正統続編感は強く感じます。
大多数の方がシュワちゃんがターミネーター役で出演していて、リンダ・ハミルトンとエドワード・ファーロングが出ていて、ジェームズ・キャメロンが監督をしてたら、オールオッケーな訳でw、その条件を限りなくクリアーしているのが今作な訳です。
もうジェームズ・キャメロンもリンダ・ハミルトンを出してきて、どんな形でもエドワード・ファーロングを出してきたら、これ以上はない訳で切り札中の切り札を出した訳ですから、これで当たらなければ、万策が尽きたとなりますが、逆の意味では、結局2の呪縛を解き放ってないとも取れます。
かと言って全く新しいキャストで再構成するなり、リブートするにしても、前作の「ターミネーター:新起動/ジェネシス」からの公開期間が短すぎて、やるのならもう少なくとも10年ぐらいの期間を置かないと駄目な気がします。
個人的にはターミネーター3でエドワード・ファーロングがドラッグ問題で降板してなければ、こう言う問題は起こらなかったのでは?と思う所があったりしますが、ハリウッドは過去に製作された作品でも無かった事にする、潔しとも開き直りとも取れる行動が出来るのがある意味スゲエなぁと思う訳ですが、それだけに観る側はやっぱりハードルを上げてしまうのは致し方無いかな。
今作はサラ・コナーが登場するのが最大のウリでありますが、それ以外にも敵のターミネーターで液体金属と金属骨格が分かれて活動出来る「REV-9」やジョン・コナーに代わるストーリーの核となるダニー、そのダニーを守る未来から来た強化人間のグレース。そして年老いた姿のシュワちゃん扮するT-
800とてんこ盛り。
そのてんこ盛り感をどう料理するかが見どころでもありますが、結構上手く裁いてはいるけど、目新しさはあんまり感じない気がします。
その中でもお気に入りはダニーを守る強化人間のグレース。
3のT-Xの様なクールさもありながら、熱さもあり、それでいてキュート♪
4のマーカス・ライトを思わせる様な立ち位置も悪くない。
シュワちゃん演じるターミネーターT-800が20年の間に人の気持ちが分かる様になり、カールと言う名前で家族と暮らしていると言うのはビックリ。
カールのカーテン屋さんと言う商売をしているのとなかなかビックリで、サングラスをかけ様としてかけないのもなかなか面白い。
2のラストのリスペクトからのより人間らしさが強調されていて、人間との共存と言うテーマが描かれているのとダニー、グレース、サラの女性チームにシュワちゃんがバックアップしている感じで、少し控え目な感じが少し寂しくはあります。
細かい事を言い出したらキリがないかとは思うんですが、冒頭からジョン・コナー = エドワード・ファーロングが若き頃の姿で出てくるのにはビックリ。
そしていきなり殺されるのもビックリ。
エドワード・ファーロングが復帰、出演していると言う情報が前もって出ていたので結構楽しみにしていたのに、正直“これだけかい!”と思ったりしました。
ターミネーター2に出ていた頃のエドワード・ファーロングの容姿は神懸っていて、個人的に10代半ばで佇まいが半端無いのはターミネーター2の時のエドワード・ファーロングと「LEON」にマチルダ役の時のナタリー・ポートマンかなと思ってたりしてますが、最近は一時期よりもかなり痩せた感じがニュースで出ていたりしてたので、大人のエドワード・ファーロングを見たかったです。
1番の?はスカイネットの脅威は消滅しているが、代わりにリージョンなる新たな人工知能が人類を消滅しようとする訳ですが、このリージョンの設定が正直な?なんですよね。
1~2はスカイネットと人類の戦いな訳で、そこに拘ってこその正当な続編と言う気がするんですが、スカイネットの代わりに新たな人工知能を出してしまったら、いくらでも未来の脅威は産み出せるし、正直今までなんだったの?と感じるんですよね。
特にエドワード・ファーロングが復帰するのであれば、それでこそ、大人になったレジスタンスのリーダー、ジョン・コナーを今のエドワードが演じれば良いのに、何故スカイネットを排して、リージョンを産み出し、ジョンに替わる助けるべきリーダーにドナーを産み出したのかが、正直?です。
ジェームズ・キャメロンがプロデューサーとして担当し、リンダ・ハミルトンが出演し、シュワちゃんが多分最後のターミネーターとして出演するであろう今作に止めの一撃になるであろうエドワード・ファーロングの復帰がデジタルで復帰とは結構な肩透かしな感じです。
単体として見たら、十分な面白さはあり、大作映画としてのスケール感も十分。大きなスクリーンで観る価値のある作品ですが、観る側がどうしても2と重ね合わせて見ている点と製作側が2を意識し過ぎている点が見え隠れして、その辺りがむず痒く感じたりするんですよね。
ターミネーター2の呪縛と言ってしまうとキリが無いですが、観る価値は十分にあると思うけど、どうしても2と比べてしまう所があると作品の出来を必要以上に見落としてしまいがちになる所がなんとなく難しい。
続編の声は今のところ、聞こえてこないけど、あればあったで観るとは思いますがw、とりあえず観ない事には始まらない自分の中のターミネーター2愛の業に深さを重い知らされました感じでもある、なかなか困った作品ですw
terumin31さん
コメントありがとうございます。
期待していた作品での個人的な感想ですが、お褒め頂きまして至極恐縮です。
ターミネーターシリーズがもしかしたらこれで打ち止めかもと考えるとちょっと残念ですが、とりあえず次があれば…観に行きますw
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね♪