「デジモン大好きな人間の感想。」デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆 TAIさんの映画レビュー(感想・評価)
デジモン大好きな人間の感想。
※あくまで私個人の感想です。
初日の朝9時から観て来ました。この時間を選んだのはTVシリーズが放送されていた時間だった為。
当時テレビの前でワクワクしながら放送を待っていた自分を思い出し、この日に臨みました。
冒頭からあの「ボレロ」が流れだし、気持ちが高揚し、涙を浮かべ「デジモンアドベンチャーが帰ってきたんだな」と実感しました。
主題歌は当時の「Butter-fly」をそのまま使用。テンションと期待値MAXで鑑賞しました。
街中での戦闘シーンからスタートです。
ビルは壊れるし、一般人は巻き込まれるしでハラハラする展開。
まるで怪獣特撮映画を見ているようで興奮しました。
人間のキャラクターが出てくると少し不安に…。
今作は前作『tri.』と違い、TVシリーズのキャラクターに寄せてデザインされています。
話だけでなく、絵で見ても期待できると意気込んでいたのですが、実際にキャラクターが動いているところを見ると頭身が高く、細い印象。
声も相まって「私はtri.を見ているの?」という気分になりました。(tri.がファンから見ても評判が悪いのでこのような感情になりました。)
あの少年少女たちが大人になってこうなる…理解はしていても、頭で結びつきませんでした。
しかしデジモンといえば『進化』。
今作用に歌い直されていましたが、懐かしの進化の曲「brave heart」が流れるとテンションが上がります。
進化すると声が野太く加工されるのも再現。当時のファンも納得のことと思います。
特にメタルグレイモンへの超進化シーンは素晴らしく、1999年当時のCG進化バンクが丸々手書きアニメーションになり、感激の出来でした。
…ですが、残念なことに進化シーンで印象が残るのはこのメタルグレイモンのみ。
ほとんどの進化はカットされ、いつの間にか進化して登場していることがしばしば。
デジモンアドベンチャーと言えばしつこいくらいのbreve heart(ギターの音)が流れ、ガンガン進化して戦っていく…この『見せ場』が全然なかった。
更に言うと作中屈指の人気を誇るウォーグレイモンとメタルガルルモンが一切登場しません。ワープ進化のバンクが見たかった!
予告で登場していたオメガモンと新デジモン2体にも進化バンクはなく、あっさりとした印象を受けました。
とても残念です。
ストーリー的には可もなく不可もなくという感じ。新しい敵が現れ、苦労して倒すという王道ストーリー。
黒幕メノアの「パートナーとずっと一緒にいたい」という理由に共感できなくもないが、今作から追加された『大人になったらデジモンとのパートナー関係が解消される』という設定は旧作ファンにはあまり響かなかった。
というのも、結局のところ『02』最終回の「あれから25年」に繋がる物語であり、デジモンアドベンチャーシリーズの最後を知っている身としては別れのシーンの感動は薄いものでした。
懐かしい曲やBGM、世界中の選ばれし子供たちの中にTVシリーズで見たことのある顔がチラホラ。『ぼくらのウォーゲーム!』風のシーン。
小ネタが散りばめられていて、旧作ファンが楽しめる要素がたくさんありました。
tri.の時に触れられなかった02メンバーが出てくるのも好印象でした。
終盤にヤマトがハーモニカを吹くのですが、ヤマトのテーマとも言えるあの音楽が流れます。泣きそうになります。
ただ「スマホ型デジヴァイス」の必要性は感じられませんでした。
昔のデジヴァイスも登場し、普通に使用していたのでスマホ型の存在意義とはなんだったのか。
要は、光子郎が開発したメッセージ機能などの"コミュニケーションツールとしてパワーアップしたデジヴァイス"だそうですが、本編やパンフレットでは一切言及されてなく、理解できないアイテムでした。
少々不満は残るが、旧作ファンも楽しめる映画だと思います。
映像や台詞で泣けたというより、私的には「懐かしい音楽」に心打たれました。
近々また見に行きます。