ナイチンゲールのレビュー・感想・評価
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ナイチンゲールとブラックバード
海岸の馬の構図は非常に良かった。『ライド・ライク・ア・ガール』とか暴れん坊将軍とか・・・心が洗われるようで、やっぱり素敵だ。しかし本編は殺伐として陰惨。冒頭のクレアの歌声からの将校個室でのレイプとか、落差がありすぎなのです。
アボリジニの虐殺シーンだとか、イギリス人の蛮行が酷い。植民地にするとなったら、とにかく先住民を殺さなければならないのか?アメリカでも同じだけど、帝国主義の本質をいやというほど見せつけてくれた。主人公クレアがアイルランド人であることも、イングランドではないという誇り高さを感じられ、19世紀の世界の縮図をも訴えてきていた。
とにかく軍人とはこんなもの。従来の文化を打ち壊して、自らの文化を植え付ける。そんなイギリス軍の将校に復讐しようとアボリジニのビリーに道案内を依頼し、中尉たち一行を追跡する物語。
しかし単純な復讐モノとは違い、ビリーも仲間を殺され家族がいなくなってしまい、彼の方が復讐欲が大きくなってしまったのです。クレアは自分の幼子を殺した男を殺害し、人を殺すことの重さを知ったように思え、最大の復讐相手に出会ったときに躊躇してしまう。この内なる葛藤は見えないものの、充分に伝わってきました。もうビリーと一緒に楽しく暮らせればいいやん!しかし運命はビリーの決断に委ねられる。う、ビリー・・・
ナイチンゲールという鳥もいるし、ブラックバード(黒人の意味もある)を名乗るビリーもかっこいいし、何しろ水先案内人になってくれるクロウタドリのシーンがとても良かった。鳴くのは真夜中だけじゃないんですね。All your life into the light of a dark black night
黒人ビリー
オーストラリア・タスマニア島で英軍がしたこと
映画にする必要
ビリーの物語り
19世紀初頭、白人が入植と言う名の侵略を始めた頃、タスマニアのアボリジニの人口は4,000人程と推測されており、純血のアボリジニは1,876年に絶滅。わずか70年余りで絶滅させられたのは野生動物ではなく人。この時間の短さが、先住民は人間として見ていられなかった事を証明しています。
いざ復讐となると、罪の意識に襲われて実行の覚悟が揺らぐクレア。関わり合いたくなかったはずなのに、クレアと行動を共にする間に見た事が許せず。故郷を奪い、行いを改めない悪い種を排除しなければならないと決心するビリー。生木を削っただけの槍は、保管の利かない最も原始的な武器。小型の野生動物しか狩ることができない武器だけの先住民が、銃に太刀打ちできる訳もなく。戦争って言うほどのものじゃ無かったでしょ。いずれにしても、途中からはクレアよりもアボリジニのビリーに感情移入してしまいました。
追跡劇と言うよりも、一風変わったロードムービーと言った方がしっくりくる物語は、中盤まで白人の罪を問うテンプレを感じさせる136分の長丁場。予想外の展開もチラホラで飽きません。エンタメ要素ゼロでシリアスな描写に力を入れながらも、単純な暴力的復讐劇に走らなかったところが良かったです。
ポスターにも予告にも、ビリーがもっと登場しても良いんとちゃう?
実際、復讐劇の主役は彼だったんだけどねぇ.....
あ。ポスターには、鳥の姿で登場してたわw
今も差別は消えていない
大英帝国による収奪の仕組みがアジア、アフリカに築かれた19世紀。
帝国の最果ての地であるオーストラリア、タスマニアで、自らの欲望のままに女を犯し、殺人することを厭わない悪魔のような男がいた。男の外見はりりしいイギリス軍の士官である。しかしその心は満たされず、精神は病んでいる。
男のために全てを失ったアイルランド女、クレアは男を追う。そして、先住民アボリジニの男、ビリーの助力を得て復讐を果たしたクレアは、ビリーと二人、砂浜に逃げ延びる。
クレアが歌う。水平線に日が昇る。前を向いたクレアが、歌の次のフレーズを歌おうとするところで映画は終わる。明るい要素のない物語が、明るい未来を示唆して終わる。
もしかするとクレアとビリーは、その後、幸せに暮らすことができたのかもしれない。しかし、今も差別は消えていない。
今はいい世の中
サムクラフリン。
とりあえずお前のこと嫌いになったわ...笑
嫌な奴だったなぁ。ほんと。
本編内容としては前情報のあらすじから
復讐劇だと思って観てましたけど
序盤、個人的に苦手な描写が多くキツかった。
あぁこりゃ怒り狂うわ
復讐すんだな。理由は十分。
中盤、怒り狂うクレアと案内人ビリー
ふたりの関係、信頼など徐々に芽生えていき
育っていく過程が丁寧でよかった
ただもやもやも多い
いやーやれやなにしてんねん!
おいっみたいな
終盤...。
人間ってほんと欲深く
汚いなぁ。と。
強いもの弱いもの
生まれ持ったもの築き上げたもの
失ったもの失わされたもの
黒人に対する描写も
私は知識不足だったなと
あらゆる面で考えさせられる話だった
物語の最後の行動は正解か不正解か
わからないけど
サムクラフリン
お前は欲の亡霊か
俳優ってすごいな。
ずっと観たかった作品だったので
みれて良かったけど。
もう二度と観ないだろう
そんな色々考えさせられる作品でした。
観るべき映画
久しぶりの映画館にて!
久しぶりの映画館にて
やはりお家ては違うね。
19世紀のオーストラリアが舞台
全てを支配するイギリス軍の将校に
夫と赤ちゃんを殺された、妻が先住民族のアボリジニを道案内にする復讐劇。
しかし
先住民族に対する仕打ちも残酷だ!
今コロナと言うのは、先住民族からの
罰なのかな!
オーストラリアの人はこの映画を観てどう感じるのだろうか
クロウタドリの導き
凌辱と殺戮を受けた女は、恨みだけを力に歩み続ける。
この映画、ただの復讐劇にあらず。
バイオレンススリラー、ロードムービー、歴史劇、異民族交流、成長譚。シンプルな本筋にいろいろな要素とドラマが絡み合い、スリリングに面白く仕上がっている。
久しぶりに心の底からキツくなる乱暴描写を観た。
クレア一家に対する暴力的支配も黒人のアボリジニたちに対する扱いも、「差別」なんて言葉では表しきれないほどに凄惨。
クレアの怒りと悲しみに身を浸し、アボリジニのビリーの叫びに耳を傾ける。
この扱いが昔当たり前のように在ったことだなんて。
将校たちが全方面に徹底して悪者でいてくれたのがまだ救いだった。憐れみなんて抱きたくもない。
人間を人間とも思わない言動の一つ一つにショックを受け、ずっと息苦しかった。
一切の慈悲も無いその所業は恐怖感を煽り、ホラー的な苦しみを味わえた。
直接的な暴力描写はそこまで多くはないものの、精神的な追い詰められ方が半端じゃない。そしてナチュラルに表れる残酷描写にもドキッとすること数回。
全編通してシリアスな映画だけど、時折フッと気を抜けるシーンがあったことが嬉しい。
ビリーとクレアの、華麗に伏線回収してみせるショートコントのようなやり取りが面白かった。
徐々に詰まっていく距離と目的の共有化、それぞれの価値観が寄り添っていく様が好き。
切なくやりきれなく、悲しく辛く怒りを抱く作品である。
しかし、たしかな希望を感じられる作品でもあった。
この映画の中で感じる負の感情は、きっと正しいものだと思う。
歴史から学び、間違いを直視して顔をしかめることで、自分の意識にも繋がる。
とても面白い映画だった。
流刑囚とアボリジニの悲劇を重層的に描く
白人はひどいことをしてきたね
イマイチ
失ったすべて。ひとつだけ
イギリス植民地時代のオーストラリアにて、極悪将校とその部下にすべてを奪われた女囚の復讐の物語。
タスマニアは、イギリスでの犯罪者の流刑地となっていた。犯罪といっても、殺人等の凶悪なものでなくとも、ちょっとした盗みで送られた者も多い。主人公のクレアもそのうちの一人。
映画序盤はとにかく目を覆いたくなるような、重すぎる不幸な展開続き。程なくして復讐の旅に出るクレアが案内人として雇ったのは、白人たちに迫害され土地を追い出された原住民のビリー。
映画は、将校一行とクレア達の旅を交互に見せた展開がずっと続くが、女子供関係なく、当たり前のように失われていく多くの命に言葉が出ない。史実がどうかはわからないけど、少なくとも本作で登場する人物で、命で罪を償うべきものなど、将校とその部下くらいしかいないはずなのに。。
黒い鳥の場面等、意外にもファンタジックな展開もあったり、ビリーにも分け隔てなく接する白人老人の存在、それに涙するビリーの姿には、こちらもぐっときた。
クレアの失ったすべてと秤にかけることはできないけれど、個人的感情はなくとも、忌み嫌いあっていたクレアとビリーが、人種を超えて心を通わせたのはひとつの救いか。
気軽にはおススメできない、名作だった。
よかった❗
すごかった
敵の兵隊の親分が本当に憎々しくて、心置きなく憎めるところがいい。こいつが、時折気分次第でやさしさを見せるところがすごくいやらしい。主人公がいざという時に躊躇ったり引いたりするのはリアルだった。そんなに悪くない下っ端だけ見事に殺害して、手を血に染めるのが、なんともつらい。ガイドの男がめちゃくちゃイケメンだった。
マケドニアの地理を少しでも把握して見ていればもっと面白かったように思う。
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