「流刑囚とアボリジニの悲劇を重層的に描く」ナイチンゲール エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
流刑囚とアボリジニの悲劇を重層的に描く
19世期、イギリス植民地時代のオーストラリアの悲劇。
アイルランド人の流刑囚クレアは、刑期を終えても地区を統括する将校にいいようにされ、挙句に夫や子どもを殺されて、もうリベンジ必至。
しかし単なる復讐劇ではなかった。
イギリスの兵士や移民による先住民アボリジニの虐殺・虐待・レイプ、本国イギリスやアイルランドから運ばれた流刑囚たちへの非人道的な扱い。そして流刑囚たちでさえアボリジニを蔑視する人種差別。
今の日本人からすれば一大観光地であるオーストラリアの暗い歴史を提示するヘビーな逸品。
人種に関係なく、いい人も悪い人もいるという描き方は実に真っ当だった。
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