「"Drei Liter!"→Joseph Beuys→ich (3回も言わなくていい)」ある画家の数奇な運命 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
"Drei Liter!"→Joseph Beuys→ich (3回も言わなくていい)
すっごく良かったです。ドイツの戦中・戦後を辿りながら、天才出現のプロセスに居合わせることができたような想いです。事実と事実でないことをうまくミックスさせた素晴らしい脚本でした。光と影、窓の役割、美しい自然、メチャクチャに爆撃されたドレスデン、木が風に揺れる音、音楽、女性のレトロでモダンな服と全部素敵でした。そして主役のクルトはまさに芸術家の目をしてました。
クルトとエリーが抱き合う姿がとても美しかった。こんなに美しい裸体は、昔見た映画「ライブ・フレッシュ」以来だと思う。本当に美しかった。階段の上の彼女も美しかった。
カッセルのドクメンタといい、ヴェネツィアのビエンナーレといい、ドイツ人がなんでこうも現代アートを意識的に観るのか分かった気がした。イタリアで花開いたルネッサンスも素晴らしい。でもエッジの効いたドイツの現代美術はかっこいいし、分かるとか分からないとかそういうことでなく、ナチスから「頽廃」扱いされた絵画や彫刻の記憶を忘れないようにしているのだと思う。
タランティーノが「イングロリアス・バスターズ」でヒトラーを殺してくれたから、この映画を見ることができました。だから「善き人のためのソナタ」も見ることができるだろうし、見たいと思います。
おまけ:
私の好きな写真があって、金髪の女の子が後ろを向いているカラー写真です。それがリヒターの作品であることを知り、「ベティ」という作品(ベティはリヒターと妻の間の最初の娘)であることを知り、そしてそれは「写真」ではなく、映画でも見ることができたフォトペインティングであることを、今回初めて知りました!写真だとずーっと思っていたのでびっくらこきました!
リヒター展に行ってきました。とても見応えがありました。
ビルケナウは、アウシュビッツの隠し撮りの写真と共に大変重かった。ひしひしと狂気を感じました。
色んな手法を考えていて、様々な感情が湧いてきました。
凄く好きになりました。
さっそく見に来ました♪
さすがtalismanさん、知的なレビューです〜❤️
ベティお気に入りなんですね。
写真だと思ってたら絵だったなんて、そりゃびっくらこきましたねっ!