「傑作」ROMA ローマ Pocarisさんの映画レビュー(感想・評価)
傑作
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波と空と飛行機
まぎれもない傑作。
監督の子供の頃の思い出のはずなのに、家政婦さんの視点で描かれる。
ただし、あくまで子供の頃に知り得たことに敢えて限定して描いているらしく、主人公が置かれた境遇は、空と飛行機(石川啄木の詩を思い出す)という風景に託されている。ここも巧みなところ。
はじめすごくフェリー二っぽいと思って見ていると、いつも間にか小津になり、笑いもスリルもあり、そして女性として生きることも突きつけてくる。
そして、モチーフの使い方の印象深さ。
冒頭の、水に映った窓を飛行機が横切るシーンで一気に心をつかまれました。
その水が波になりますが、ラスト近くのシーンと対応しています。
彼女の先住民としての社会的な立場と、彼女自身の内面をそのシーンだけで象徴していたことが後からわかり、唸らされました。
2019/3/20 イオンシネマ浦和美園にて再鑑賞。やはり素晴らしかった。
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