「映像美を駆使した最高のドキュメンタリー」ROMA ローマ ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)
映像美を駆使した最高のドキュメンタリー
アカデミー賞作品賞にもノミネートされた作品でずっと気になっていたので鑑賞。自分のかなり好みの作品であった。
ストーリーはある家族とその家政婦の日常を描いたもの。
まず、特筆すべきはその映像美。カメラワークが秀逸で、音楽をあまり使わない演出とモノクロ映像は完璧にストーリーにマッチしていた。
日常を描いたものなのでストーリーに起伏があるわけではないが、その時代を生きる女性、子供と家族の関係性など見ていて感じ取れることは多い。
あまり多くを語らず、自分のことよりも他者を思いやるクレオの精神性はひしひしと伝わってくる。ヤリッツァ・アパリシオは表情や動作でクレオの感情を完璧に表現していた。
「万引き家族」にどこか通じるものを感じたが、"孤独感"や"愛情"といった普遍的なものを映像美を駆使して丁寧に描いた本作は鑑賞者の心に寄り添うものとなっている。
コメントする