劇場公開日 2019年12月20日

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「この先も戦争がないように思わせてくれるアニメ」この世界の(さらにいくつもの)片隅に ♪エルトン シンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0この先も戦争がないように思わせてくれるアニメ

2025年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

癒される

短いバージョンがあるとは知らず本作を視聴。
いきなり「悲しくてやりきれない」が流れてきてびっくり。
どんな話なのか期待が増した。

水彩画のような絵コンテの中にあって戦艦の場面は実物のように見えた。
戦中、戦後のすずの生き様を描いた作品で出てくる色んなエピソードに時間の長さは余り感じさせられなかった。
それはすずの性格的な事とのんさん演じる声のせいと思う。素晴らしかった。
自分を抑え流されるように生きてきたけれどリンさんの登場でそうもいかなくなった。夫の引き出しを見るなんてそれまでのすずさんには考えられなかった行動だ。
再度、リンさんに会いに行ったがあえずそのときに会えたテルさんとのエピソードもとても良かった。
ショックだったのは時限爆弾のせいで晴美を無くしたこと、さらに自分の右手まで無くしてしまったシーン。戦争の恐ろしさを教えてくれる。
残された物は悲しみを背負いながら生き続けなければならないのだから。
自分が泣かされたんはすずさんだけでなく義姉の径子さん。
画顔がいかにも意地悪そうだし、実際、とげのある言葉を投げつける。いやな人と思ってみていたけれど彼女には彼女の事情があったし、まして娘を亡くした絶望もある中で、すずが「広島に帰る」と言いいよいよ家を出る日、すずのために新しいモンペを作りながら「思うように生きればいい」と言うシーン。「やっぱりここにいさせてほしい」と返すすず。このシーンは自分に中で最高でした。思わず涙。
広島で戦争孤児を連れて帰ってきたすず夫婦。径子が「去年の晴のやけれど、すこし小さいかねえ」でこの映画は終るのだけれど、このシーンが自分の中ではメチャクチャ良かった。
径子さんの意地悪、全部回収!
また見るべき映画の一つになった。またお薦めする映画の一つになった。

♪エルトン シン
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