「それでも生きる」この世界の(さらにいくつもの)片隅に りかさんの映画レビュー(感想・評価)
それでも生きる
すずさんの筆箱の
ちびた鉛筆、これ見ただけで物を大切にしていることがわかる。
広島や呉での戦時中の生活の有り様が事細かく描かれている。
どなたに聞かれたのだろうか。
たくさんの方々に聞かれたのだろう。
いろんな経験をされている。
本作を観たら、しっかりと頭と心に焼きつけて次世代にできるだけ伝えていかねばならないのだと思わされた。
すずさんは働き者。もし、この主人公が怠惰な性格で文句ばかり言って働かない人ならどうだっただろうか、と考えたが、話が成り立たないな、作品にならないと思った。
骨身を惜しまず働き、右手を失ってもじっとせずに何か働いている。終戦後台風が来て屋根に穴が空き修理する為に風雨吹き荒ぶ中梯子を掛けて屋根に上がろうとしていたのには目を疑った。ちょうどよく夫が帰って来て代わってくれたからいいものの‥。しかし、義父が留守で年老いた義母だけなら仕方ないのかどうかは何とも言えない。
そんなけなげなすずさんにも戦禍は容赦なく降りかかる。人を選ばないのが戦争。
何も悪いことしてなくても殺される、それが戦争。
昔の話で良かった、と今言えるかの世界情勢。昨日の長崎平和祈念式典でもイスラエル🇮🇱の大使を招待しない理由で、原爆を落とした当事者のアメリカ🇺🇸を筆頭に招待したにもかかわらず欠席した国の大使がいた。日本よりイスラエル🇮🇱に忖度。政治と絡ませるな、とアメリカ🇺🇸からは文句も言われている。何様なんだ。
これらの国を信用してはならないと教えてくれた。ただ、広島はパレスチナを呼ばずイスラエルを呼んでいる。日本政府は、長崎のことに国は関与しないというスタンス。自国も頼りにならないのか。有事があれば先行きわからない今。
またもやニュースでイスラエルが学校に爆弾投下、
日本の今の平和はいつまで続けられるのか。
すずさんは18歳で求婚されるままに顔も知らない人に嫁いだ。
この時代嫁は働き手。早朝起きて水汲みして、
一日が始まる。
配給制で、出汁用のイワシ4匹で4人家族3日分。減らされたので増やす工夫でご飯炊いたが。
終戦後、凄いご馳走、カサ増しの混ぜ物のない白米だけのご飯、だけ。
防空壕掘りも描かれていた。
闇市で迷子になり遊郭街に迷い込み、知り合った白木リンさん。
年頃も近く気が合って話し込んだ。
見せられた身元票、ノートの台紙を切り取った紙に。
海軍省の夫に届けた台紙が欠けたノート、
伯母さんが言いかけた夫の昔の話、
白木リンさんの身元票、
屋根裏で見つけた新しい女物の茶碗、
夫に聞くと世帯持とうとした人にあげようと、
••••わかった、白木リンさんとだったんだ。
茶碗返しに行こう、夫と関わって欲しくない。
茶碗をテルさんにことづけた。
空襲警報、
こんな時代だからこそかの花見、偶然リンさんに会う。
茶碗を受け取った礼は言うがそれ以上触れない。
テルさんのことも聞くが‥‥。
リンさんやテルさんの境遇を考えると、
リンさん、女の子なら売れて(私みたいに?)
元気よく生きるからいいよ、と言うが。
人権という言葉なんて、
特攻とはまた違うが、人のことだいぶ軽く考えていた時代。
すずさんは自分のことボーッとしてると何回も言うが、
恋敵にはなかなか俊敏な行動である。
すずさん、
晴美ちゃんの左手を右手で握ってお義父さんの見舞いに
行った帰り知らずに不発弾の近くを通ってしまい、
晴美さんと右手を失ってしまった。
(ただ疑問、義姉さんは愛娘を預けて切符を買いに行ったのがわからない)
久しぶりに会った挨拶が、
🔅無事じゃったかね?🔅なんて⁉️
広島に原爆投下され、
天皇陛下の玉音放送、座敷のラジオ様を
縁側に座ってうやうやしく聞いた。
本物はダメなんだろうけどあまり品が無かった。
偶然、母を失ったヨーコに出会い家に連れて帰る。
また壷井栄さんの『母のない子と子のない母と』を
思い出す。
[いろいろ]
配給当番、
千人針、
大和軍艦、
絵描いてたら憲兵に。
砂糖高騰、
水原さん水兵に。
🍡全編を初めて観たので再度観て修正するかもです🍡
座敷童の正体がりんの子どもの頃だったり、目が覚めたら片腕が無い時の描写が背景が下手になっていたり、漫画本だともっと仕掛けが沢山隠されていて、片腕が無くなってからは背景を作者が左手で描いたんですよ。真実を追求する原作者とアニメ化の監督ふたりのタッグで、リアルに拘った最高傑作です。
りかさん、コメントありがとうございました。この映画良いですよね。
1か月以上映画.comを見る暇がありませんでした。私は長崎県が決めた事をG7が批判するなんて、と驚きましたよ。