「恋敵として、だけではなく…」この世界の(さらにいくつもの)片隅に トロハチさんの映画レビュー(感想・評価)
恋敵として、だけではなく…
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TBS日曜劇場版で最も普及した本作の為、今回既存の無印に追加された『白木リン』及び彼女に関するエピソードは、TBS版での解釈上【あくまでも北條周作との関係ありき】つまりは【すずさんの間接的な恋敵】としてのキャラクター設定を初見以下原作未読の人々に与えてしまっており、とても残念。
原作から入った人間には、北條すずにとっての白木リン、は(TBS版では無理矢理若く設定された隣組の女性が一応親友一歩手前くらいで配役されたりしましたが)夫を介した因縁をも超越した親友または心友として描かれており、そのために必要不可欠なシーンが今回追加された、と解釈しています。
このキャラクター設定での配役設定自体が、「周作の元カノ」とされるか?「すずさんが嫁いで以来の心友」とされるか?、ではかなりの見方の相違が出ます。今回の完全版ともいうべき作品が、『蛇足すぎる』『正直いらない』『恋愛話に手を加えた』などの微妙な評価はそのほとんどがリンの立場を「元カノ」と位置付けているためなので、もしもそういう方が再び本作を見返そうとするならば、「心友」として見て欲しいです。
立場「心友」として、前回泣く泣く「蔑ろ」にされてしまったエピソードが入り、今のまま以上に【北條すず】個人としての『色』が鮮やかになったと思います。
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