「渋さ健在」イコライザー2 REXさんの映画レビュー(感想・評価)
渋さ健在
大体この手の映画は続編になると国家相手になったりと急に敵が大きくなってしまうがそうはならず、マッコールがドライバーマッチングアプリの「Lyft(リフト)」で運転手稼業を営みながら世直しを続けている設定が、地に足着いていてとてもいい。
リフトならではのユーモアも。様々な人種や年齢の人間を乗せるマッコールの表情が変化に富んで一つの見所に。
女性を薬漬にしてレイプしたボンボンたちをぶちのめしたあとに、チャリーンとスマホに十数ドル入る場面が爽快。
これだけ善行して数千円かよ、って。
マッコールおじさん、読んでいる本が『シッダールタ』など人生の求道者じみてきたのに、一般人を再起不能なまでに叩きのめしちゃうやり過ぎなところが、また萌えます。
相変わらずフークア監督の映像センスは抜群。セリフも渋めで少なめ、主人公も敵もごちゃごちゃ理屈めいてないのがいい。マッコールが殺人現場をプロファイルする場面が1にはなかった趣向。
また、世を儚んだ底辺の若者を鼓舞し、全うな道を歩かせるという話の軸は1を踏襲。
そのマイルズ君をストリートギャングから助けたときの理由を聞かれたときに「それはこれから探す」という返答がしびれる。
特に理由など無い…というときに格好つけて使ってみたい(笑)。
それにしても、命を賭して危険な任務を行ってきた仲間同士で殺し合うことに躊躇しないことそのものが、マッコールの人生の儚さと孤独が浮き彫りになった気がして少し切ない。
並べられたリンゴの数は何を意味するのだろうか。かつての仲間の数なのだろうか。