「家業」おかえり、ブルゴーニュへ きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
家業
世に職種は様々あれど、
「親の家業」を継ぐ者たちにとって、
その決断は、兄妹たちにとっては本当に大変なことだ。
彼らは家族の歴史と、ワイン醸りの伝統と、昨今では温暖化もあるし、
その上グローバル・マーケティングの嵐にさらされないといけないからなぁ・・
僕の家も“家業"を持つ一族のメンバーだったから、そのような視点からこの映画を味わうのも乙だ。
大人になった三兄妹が、
それこそ文字どおり「酸いも甘いも噛み分け」てきて、いま再び三人で並んでちょこんと座っている。
畑を見渡しながら、実家のテラスに座っている。子ども時代に戻って一緒にテイスティングしている。
両親からのハグと、ブドウ畑からのハグが、思い出の光と風に乗って三人兄妹を包む・・。
とてもいいシーンだった。
あの瞬間に、子どもたちはたくさんのものをグラスの中に味わっている。そうなのだ。あの子どもたちはブルゴーニュの土地っ子=農産物なのだ。
家業をついだり、
一旦は家業を継いだがそこから離れた経験のある者にとっては、また別の意味での味わいも深い、
そんなワインの物語だったと思う。
元ワイン醸造所勤め
きりんのレビュー 🍇🍷🌿
追記
勤め先の醸造所の除梗機は巨大なフランス製で、
1次発酵タンクはステンレスのドイツ製でしたね。毎日10トンのブドウを潰しました。
秋になれば、吹いてくる夜風は むせ返るほどのブドウの香り。ここは長野県塩尻市。
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