「ゴルゴといえば東郷だと思う。」泣くな赤鬼 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴルゴといえば東郷だと思う。
浜田廣介作の児童文学「泣いた赤鬼」。人間と仲良くなりたいがために、自分の家の前にお菓子を置いたりするが誰も寄ってこない。そんなとき、青鬼が自分が人間たちを襲うから、君は助けに入ればいいと助言してくれて、その通り実行する赤鬼。おかげで人間たちと仲良くすることができました・・・。現代でもよく使われるプロット。好きな女の子に好かれたいがために不良に襲わせて、助けにはいる!というアレだ。
重松清の映画化作品とはなぜか好きになる。短編であれ、長編であれ、映像化に向いているのだと思います。そんな今作も難病モノとしてわかりきっちゃいるが、優しが伝わってくる映画として仕上がってます。負け犬という言葉は好きじゃないので使いたくありませんが、簡単に人物を表現するとわかりやすい。ゴルゴは赤鬼の厳しさによって努力することを諦め、挫折感に打ちひしがれる。高校野球にはよくあることだと思うけど、補欠であれ、ベンチにさえ入れなかった経験であれ、3年間やり遂げることが満足感を生むのだろうけど、中学時代から持ち続けたプライドと傲慢さが邪魔をしてしまったようだった。
一方、堤真一演ずる赤鬼こと小渕隆。こちらも城南工業の監督時代に甲子園まであと一歩というところで夢破れたという挫折感があり、転任先の西高校ではもはや甲子園を目指すことさえ諦めている様子。それがゴルゴとの再会で何かが着実に変化していくのだ。
「泣いた赤鬼」と関係あるのかな~などと考えながらの鑑賞となりましたが、ゴルゴ一人が悪者となって去っていくところは物語の青鬼に繋がると思う。いや、もしかすると、ずっと野球を続けていれば甲子園に行けたかもしれないのだが・・・ちょっとしたモチーフだったわけですね。和田くんの最後のプレーをはじめ、野球のシーンはまるで高校野球を観ているかのような演出でした。
やっぱり死ぬまでに何かをやり通したい。夢を少しでも叶えたい。人生の成功者よりも、むしろ挫折を覚えた人に観てほしい映画です。
kossayさんこんにちは!コメントありがとうございます。つい硬い話も書いちゃいましたが、スポーツの在り方も見直す時期に同意で、その通りのなんですね。柳楽優弥のキャラクターは反発しながら熱意が伝わりましたが、和田くんは道具として扱われたのでないかという傷を残しました。勝利至上主義もどうかというのもあったり。なかなか正解はないなか模索していく事が大事かと(^^ゞまた宜しくお願いします。